Sun MicrosystemsおよびGlassFishコミュニティは17日(米国時間)、Java Platform Enterprise Edition (Java EE) 5対応アプリケーションサーバの最新版となる「GlassFish V2」を発表した。同時にGlassFishをベースにしたアプリケーションサーバ「Sun Java System Application Server (以下、SJSAS) 9.1」も公開されている。
GlassFish V2は長い時間をかけてエンタープライズ機能(クラスタリング、高性能な管理機能、高いパフォーマンス)を実装してきた。スケーラビリティやミッションクリティカルへの対応など、エンタープライズで要求される機能が実現されている。また、同時に有償サポートが提供されているSJSASのコストを廉価にすることで、商用用途においても訴求力をみせている。
GlassFish V2における注目点は次のとおり。
- 高いパフォーマンスを実現(2007年7月に実施されたSPECjAppServerベンチマークの結果からGlassFish V2がOSS Java EE 5アプリケーションサーバでもっとも高速な実装だと主張されている)
- フェイルオーバや高い可用性を実現するために、スケーラビリティやインメモリデータのグループ化を実現するクラスタリング機能を提供
- アプリケーションサーバクラスタの管理やアプリケーションのデプロイを管理する集約化された管理機能を提供
- WindowsプラットフォームやJava技術においてホスティングされているWebサービスとの相互接続性を実現するProject Metroの統合
- Webサービスと既存のエンタープライズリソースの統合を実現するOpen ESBの提供や、Webサービスを使ったSOA実現をサポートするためのJBIのサポート
- BPELワークフローを使ってSOAアプリケーションのデプロイを実現するためにNetBeans IDEとの統合を実現
Java EE 5アプリケーションサーバの参照実装ともいえるGlassFish V2が正式リリースに至ったことでエンタープライズ向けのアプリケーションサーバはひとつのマイルストーンを迎えたことになる。Java EE 5アプリケーションサーバを活用した開発を検討しているデベロッパやアーキテクトはGlassFish V2を調査の対象に入れてほしい。