ソフィアシステムズは18日、携帯情報端末およびIP電話向けの開発プラットフォーム「SandgateIII-P」を発売した。通信方式は無線LAN(IEEE802.11b/g)と、ウィルコムのPHS通信モジュールであるW-SIMに対応している。CPUには最大624MHzで動作するPXA310を搭載。対応するOSはWindows Embedded CE 6.0とLinux。今後は携帯電話端末向けのOSであるWindows Mobileにも対応する予定という。
同社の会長である樫平扶氏によると、本開発プラットフォームの評価ボードは「より実機に近いもの」を意識し、ただの裸の評価ボードではなく、携帯電話型の筐体に収めて提供することにしたという。また、拡張ボードも用意しており、ポータブルメディアプレーヤなどIP電話以外の開発にも利用できるようにした。
携帯電話端末型の評価ボードを手に「SandgateIII-P」の発表を行うソフィアシステムズ 会長の樫平扶氏 |
評価ボードは、Microsoftの組み込み用OSであるWindows Embedded CE 6.0と、Intel製のLinux「PXA Linux」(Linux Kernel 2.6.14)の両OSに対応している。また、CPUは米Marvell Semiconductor製のPXA310を採用した。搭載するメモリは256Mバイトのフラッシュメモリと128MバイトのDDR RAM。そのほかUSB OTGインタフェースやMicroSDスロット、W-SIMスロット、IrDAなども備えている。1.3MピクセルのCMOSカメラモジュールやBluetooth、3軸加速度センサ、地磁気センサなども装備しているが、こちらは別途ドライバを用意する必要がある。外形寸法は145×48×22mm、重量は110g。
本開発プラットフォームは評価ボードに加えて、デバッグ用のボード(JTAG、RS-232-C、Ethernet用)、回路図などを収録したCD-ROM、RS-232-Cケーブル、LANケーブル、USBケーブル、ACアダプタが含まれる。なお、価格は約60万円。
そのほかドライバ開発などのために、評価ボードと同社のJTAG ICE「EJ-Debug」やソフトウェアデバッガ「WATCHPOINT」、Windows Embedded CE 6.0の開発ツールとデバッガを連携させるためのソフトウェア、BSP(ボードサポートパッケージ)などを含む「ソリューションセット」も用意している。価格は98万円。
「SandgateIII-P」のソリューションセット。評価ボードに加え、JTAG ICE、デバッグボード、ソフトウェアデバッガなどが含まれる。価格は98万円。なお、評価ボード本体は60万円 |
そのほか、ソフィアシステムではOSのポーティングや通信部分の開発といった受託開発サービスも行う。
なお本開発プラットフォームのサポートは、ソフィアシステムズのパートナ企業であるカナダのIntrinsyc Softwareと共同で行う。Intrinsyc SoftwareはWindows Embedded CE 6.0用BSPの開発などを行っている企業で、2008年には日本支社を開設する予定。