NEC 執行役員 岡田高行氏

NECは14日、セキュリティ・マネジメントを重視した企業向けセキュリティ・ソリューションを強化したと発表した。同社が提唱する「協調型セキュリティ」の確立に向けた取り組みの一環と位置づけられる。具体的な内容は、

  • ソフトウェア新製品およびサービスの新規投入
  • コンサルティングに関してシマンテックと協業
  • パートナー制度「InfoCage WORKS」の拡大

の3点となる。

新たに投入されるソフトウェアは、以下のとおり。

プロダクト名 価格 発売予定日
InfoCage Managementシリーズ
InfoCage セキュリティリスク管理
218万円~(500ユーザー) 9月28日
InfoCage Fileシリーズ
InfoCage ファイルセキュリティ
1万1,000円~(1ユーザー) 10月29日
統合アクセス管理ソフトウェア
WebSAM SECUREMASTER/EnterpriseAccessManager
235万円~(500ユーザー) 10月15日
統合ID管理・IDプロビジョニングソフトウェア
WebSAM SECUREMASTER/EnterpriseIdentityManager
150万円~(500ユーザー) 10月15日

WebSAM SECUREMASTER/EnterpriseIdentityManagerはバージョンアップ、他の3本は新製品となる。また、企業向けコンサルティングサービスを拡充し、Retina Network Security Scannerを使用した脆弱性診断を新たに提供する。

概要説明を行なった同社の執行役員の岡田高行氏は、1年前に同社が取り組みを開始した「協調型セキュリティ」を「バラバラのポイント・ソリューションの寄せ集めではなく、製品間の協調を図る」こととした上で、1年前の段階での協調型セキュリティは、「ファイル」「PC/クライアント」「サーバ」「ネットワーク」「装置/デバイス」に対する保護を協調させていく"プラットフォームセキュリティ"の実現だったと振り返った。そして、今回の強化では、「物理的環境」「業務アプリケーション」「基幹業務システム」「シンクライアントシステム」などを対象に「全体的にセキュアなシステム構築と統制」を実現する"システムセキュリティ"、さらに、「セキュリティレベルを可視化、統制」するために「専門家」「脆弱性診断」「マネジメントシステム」などを含む"セキュリティマネジメント"を加えた三本柱とし、対象領域を大きく拡大するとした。

プラットフォームセキュリティ、システムセキュリティ、セキュリティマネジメントの3本柱で対象領域を拡大

続いて、個々の取り組みの詳細を説明した同社の第一システムソフトウェア事業部長の森正氏は、ソフトウェアの新製品であるInfoCageセキュリティリスク管理とInfoCageファイルセキュリティの追加によって、「全シリーズのラインナップが完了した」とした。

新製品の投入により、全シリーズのラインナップが完了

NEC 第一システムソフトウェア事業部長 森正氏

InfoCageセキュリティリスク管理では、組織内の全PCのセキュリティレベルを可視化し、対策を自動化できるという。また、「Winny起動禁止」「USB利用禁止」などのポリシーを全クライアントに徹底する「ポリシー徹底機能」と、管理者向けインタフェースとなる「マネジメント機能」が提供される。マネジメント機能では、管理者の職務を踏まえ、従来は別々に実現されていたセキュリティ管理と資産管理を、WebSAM AssetSuiteと連携することで一本化できるという。

InfoCageファイルセキュリティでは、マイクロソフトのIRM(Information Right Management)技術と連携し、ファイルを暗号化して適切な権限がなければアクセスできないようにする。

パートナーを拡大

ID管理ソフトウェアWebSAM SECUREMASTERでは、日本企業のID管理ニーズに対応した機能強化が行なわれた。具体的には、「兼務」や「一斉人事異動」といった日本に特有の人事習慣に対応した。

また、コンサルティングに関しては、シマンテックとセキュリティコンサルティング分野で協業し、同社と共同でコンサルティング・アドバイザを増員していくという。

これらの施策により、今後3年間で協調型セキュリティ関連ビジネスの売上600億円を達成するのが目標。

3年間で売り上げ600億円を目指す