米Microsoftと米Sun Microsystemsは9月12日(現地時間)、両社の提携範囲を拡大し、SunがハードウェアベンダーとしてMicrosoft Windows ServerのOEM販売を行うことで合意したと発表した。両社の提携は2004年4月に初めて発表されたもので、両社プラットフォーム間の相互互換性の強化やマーケティングなどでの協力が盛り込まれている。その後も継続的に提携内容の強化や更新が進められており、今回の発表で、その関係がより踏み込んだものとなった。
これまでの両社の提携では、認証管理(シングルサインオイン等)やWebサービスの統合、Java EEと.NET Frameworkの相互接続など、WindowsとSolarisプラットフォームを互いに共存させる方向が中心だった。今回の発表で、Sunは自身のx64サーバ製品にWindows Serverをプリインストールして出荷することになるため、従来のSolaris重視路線とは異なる。顧客の要望に応じてSolarisとWindowsのいずれかを選択肢として提供することで、製品ラインの充実と販売機会の増大を狙うのがSun側の戦略とみられる。
今回の提携に含まれる内容は下記の通り。
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Windows ServerのOEM販売
Sunが自身のx64サーバにWindows Serverを搭載してユーザーに提供する。Windows Server 2003を含むサーバ製品は90日以内にも提供が開始される。
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SunハードウェアとWindowsプラットフォームとの検証テスト
スケールアップなソリューションにおいて、x64サーバやストレージ製品とWindows製品の組み合わせによるテストや認証を共同で行う。
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Solaris/Windowsの仮想化
Microsoftの仮想化インフラ上でSolarisをゲストOSとして安定動作、あるいはSolaris上でゲストOSとしてWindowsを安定動作させるための仕組みを共同開発する。また、これら技術を利用するユーザーのサポートも共同で行う。
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IPTVでの提携拡大
SunのハードウェアとMicrosoft Mediaroom IPTVを組み合わせたソリューションを世界規模で共同展開する。両社によれば、Microsoft Mediaroomの最大顧客の1つAT&T U-verse digital TVが、稼働ハードウェアとしてSun製品を選択している。
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相互互換性実現での開発投資の拡大
両社は、Microsoft本社のある米ワシントン州レドモンドのキャンパスにInteroperability Centerを設立する。ここではSunのx64サーバシステムのデモルームが設置され、検証や販売ツール、顧客サポートなどを包含したラボとして機能する。Microsoftキャンパス内でのSunの露出を増やすことが狙いの1つとなる。