スカイコムは7日、SaaS(Software-as-a-Service)方式によるオンデマンド高速PDF変換サービス「NinjaPDF for AppExchange」(以下、NinjaPDF)の提供を開始した。

「NinjaPDF」は、一般的なPDF作成ツールに比べ、2 - 20倍以上の高速処理が可能なエンジン"SkyPDF"をベースに、Salesforce.comのオンデマンドプラットフォーム「AppExchange」(米国版)経由でオンデマンドで提供するもの。日本から米国版「AppExchange」への参入は同サービスが初となる。

同サービスは自社サーバやクライアント環境にアプリケーションを装備する必要がないSaaS方式で、管理者はライセンスやバージョンアップなどの負担がない。Webブラウザ環境さえあれば利用できるため、外出先などでのモバイル環境でも利用できる。また、オプション設定により、パスワード保護による閲覧制限や、印刷/コピー/注釈記入などのセキュリティ制限を、チェックボックスのみで容易に行える。

操作は「セキュリティ設定(オプション)」「ファイル選択」「実行」の3段階の基本的なアクションのみで行うことができ、インタフェースは海外向けの英語仕様だが、初心者でも簡単に使えるよう直感的な操作性を配慮している。さらに、PDF変換は19言語をサポートしており、日本語文書の変換も問題なく行える。

また、Salesforce.comと連携し、「NinjaPDF」のインタフェース上で、Salesforce上のファイルがPDFに変換できるなど、ファイルの共有化や管理が可能。Salesforceの顧客情報との関連付けを行うなど、取引先ごとにPDF文書を一元管理するなど、便利な使い方もできる。

変換可能なファイル形式は、Word 2000/2002/2003、Excel 2000/2002/2003、PowerPoint 2000/2002/2003、Visio 2000/2002/2003、およびBMP、JPG、GIF、PNG、TIFの画像ファイルやTXT、CSVのテキストファイルにも対応。アップロードサイズは500MBまでで、10分以内に変換できるものが条件。それ以上のサイズの場合は、クライアント製品の「SkyPDF」を利用すれば5対応可能だ。インターネット接続環境は「Internet Explorer 5.5」以上、「Firefox1.0」以上、「Mozilla1.5」以上、PDFの閲覧は「Adobe Acrobat 5.0」以上を推奨している。

作成したPDFファイルに、パスワードや各種セキュリティオプションの設定が可能だ

過去にPDF変換した文書も、履歴として管理表示され、後から処理を行うこともできる

利用手続きは、契約/解約ともに、オンラインですべて可能。料金は1ユーザーにつき月額5米ドル(約579円)で、追加契約や解約は月単位で行うことができ、手軽に導入できるのもメリットだ。

また、同サービスでは、Salesforceのユーザーでなくても利用可能な"Test Drive"を用意。500KBまでのローカルファイルのPDF変換に制限されるなど、機能を一部制限した上で気軽に同サービスを試用できる環境が提供されている。

今回の発表に伴い、都内で開かれた記者発表会で説明を行った、スカイコムのSaaSオンデマンド・ビジネス・プロジェクト・マーケティング&ビジネス部長の清板ゆかり氏は「今回、米国版AppExchangeへの日本からの参入で1番乗りできたことを誇りに思う。米国進出により、オンデマンドサービスをよく理解している米国のビジネスユーザーからのストレートなフィードバックが期待できる。また、経験ノウハウを米国間でスパイラルに反映させることで常に新鮮なオンデマンドサービスの提供をしていきたい」と、米国版AppExchangeへの参入の背景と意気込みを語った。

また、続いてデモを行った、同シニア・エンジニアの寺師雄一郎氏は「PDFを加工する二次編集機能なども盛り込みバージョンアップを図っていきたい」と、今後の展望を明かした。

さらに、ゲストスピーカーとして登場した、セールスフォース・ドットコム執行役員の榎隆司氏は「今回、セールスフォースのプラットフォームを使ってスカイコムの『NinjaPDF』が世界進出を図ることの礎になったことを大変に光栄に思う。また、顧客ユーザーのサクセスと、パートナーのサクセスを企業価値とする我が社の方針からしても、非常に意義が大きい」と述べた。

スカイコム SaaSオンデマンド・ビジネス・プロジェクト・マーケティング&ビジネス部長 清板ゆかり氏

スカイコム シニア・エンジニアの寺師雄一郎氏

セールスフォース・ドットコム執行役員 榎隆司氏

スカイコムでは、今後も同サービスの定期的なバージョンアップを図っていく方針で、今冬にも日本語版にローカライズしたサービスを日本版AppExchange上での公開を目指す。なお、2007年9月7日 - 11月5日の間、「長期無料トライアルキャンペーン」を実施。対象期間中に登録した場合、2007年12月5日までの利用料が無料になる。