Python Software Foundationは8月31日、スクリプト言語Pythonの次期バージョンα版「Python 3.0a1」をリリースした。Mac OS XとLinux、Solarisで動作が検証されたソースコードのほか、コンパイル済のWindows用バイナリが提供される。

今回のリリースは、Python 3000というコード名でも知られるPythonの次期バージョン(Python 3.0)の初期開発版。Python 2.xに縛られず設計された経緯もあり、リリース以前から後方互換性が損なわれることがアナウンスされていた。

Python 2.0との差異としては、unicodeとstrに分けられていた文字列処理を改め、unicodeがstrになるという一本化が挙げられる。ソースコードの標準エンコーディング形式にも、UTF-8が採用された。Set型のリテラル表記が可能になったほか、引数や戻り値に制約を設ける表記(Signature Annotation)がサポートされるなど、表記ルールにも多くの変更が加えられている。

Pythonは、オープンソースモデルで開発が進められるオブジェクト指向のスクリプト言語。モジュール機構と豊富な拡張ライブラリを備えるほか、行頭からの空白(インデント)を利用した外観上見やすいコーディングスタイルが特徴。C言語により実装された通常のPython(CPython)のほか、100% Pure Javaによる「Jython」、C# / .NETによる「IronPython」など複数の実装が存在する。Python 3.0の正式リリースは、2008年8月が予定されている。