インテルは8月30日、28日に発表された第2世代インテル vPro プロセッサ・テクノロジーに関して、米Intelの副社長 兼 デジタル・エンタープライズ事業本部長トーマス・キルロイ氏による説明会を開催した。
キルロイ氏は、まず、vProおよびCentrino Proを含むビジネスクライアント向けプラットフォームのロードマップから紹介を行なった。約1年前に発表された第1世代vProから、コードネームSanta Rosaで知られるモバイル向けにも展開を開始したCentrino Pro、そして今回の第2世代vPro「Weybridge」(コードネーム)へと。この1年の間にITサービスプロバイダ、ソフトウェアベンダの支持と、既に多くの顧客を得たとして、成果をアピールした。
続いて説明は第2世代vProの機能紹介へと進んだ。第2世代vProは、FSBが1333MHzに引き上げられたCore 2 Duoプロセッサや、新しいデジタルエンタープライズ向けチップセットのインテル Q35 Expressチップセット、そしてインテル 82566DHギガビット・ネットワーク・コネクションといったハードウェアプラットフォームのリフレッシュに伴う。パフォーマンスおよびパフォーマンス/ワットでの性能などはこうしたハードウェアプラットフォームに依るが、vProの特徴であるセキュリティや運用管理コスト削減に関しては、プラットフォームテクノロジ「T*s」やその他次世代標準管理規格への対応、TPM1.2対応などの機能面が鍵となる。
機能紹介では、仮想化に関わるセキュリティ機能として「インテル トラステッド・エグゼキューション・テクノロジー」「ダイレクト I/O 対応インテル バーチャライゼーション・テクノロジー」、ネットワーク・トラフィックの中から悪意あるパターンを検出する機能の強化として時間ベースの「システム・ディフェンス・ネットワーク・フィルター」、OS不在時・休止時にもクライアントを管理する「インテル Embedded Trus Agent」およびそれにおける802.1xとCisco NACのサポートなどを新しい機能として紹介した。特に、ダイレクト I/O 対応インテル バーチャライゼーション・テクノロジーに関しては、今回の第2世代vProが初めての搭載となり、まだCentrino Pro(Santa Rosa世代)にも搭載されていない。仮想マシンのI/Oマッピングをハードウェアで行うことで、仮想化のためのソフトウェアをrootkitなどから保護する技術とされる。
セキュリティの新機能3つのその基盤となるテクノロジ |
第2世代vProでは「DASH(Desktop and mobile Architecture for System Hardware)」「WS-Man(WS-Management)」という次世代の業界標準規格にも対応する |
また、前世代のデータになるが、運用管理コストの削減という面からvPro導入によるメリットについて紹介があった。同氏が紹介したスライドでは、「1000台のPCにパッチを適用するのにかかる時間」など、各事例を挙げてどれだけ時間の削減が可能か、効率アップが可能かなどが示された。
パフォーマンスや電力効率に関しても、まずパフォーマンス面では第1世代のCore 2 Duo E6300と第2世代のE6550をSysmark 2007で比較。E6300が98であるのに対しE6550が128となり30%の向上。そして電力効率面では、プロセッサのTDPは前世代vProと変わらないが、アイドル時のCPU消費電力で22W対8W、チップセットの消費電力では31Wが13W、チップセットのアイドル時の消費電力で13W対5.5Wというデータを示し、プラットフォームトータルでの省電力で前世代を上回るとアピールした(チップセットは第1世代がQ965+ICH8-DOに対しQ35+ICH9-DO。CPUを含め2006年9月のvProと2007年8月のvProとの比較)。