IDC Japanは28日、国内のITアウトソーシングの主要事業者10社の売上ランキングと成長率に関する分析の結果を公表した。
調査結果によると、2007年3月期における国内ITアウトソーシング売上高トップとなったのは富士通で、以下、IBM、NTTデータ、NEC、日立が上位5社となった。ここまでの順位は、2006年3月期でのランキングと同一。一方、6 - 10位では、2006年10月にCRCソリューションズと合併した新生CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)が10位にランクインしているのが変化点となる。
成長率では、上位5社はいずれも1桁台後半 - 10%超の高い成長率を達成しているが、6 - 10位のベンダでは、低成長にとどまるところも見られるという。合併効果のあったCTCを除くと、ITアウトソーシングの売上が高いベンダほど概ね高い成長率となった。
この結果について同社は、「上位ベンダが売上高を伸ばした背景には、大企業を中心に情報システム構築への投資が拡大を続ける中で、これまでベンダが手がけてきた構築案件が運用フェーズに入ったことや、地銀向けの基幹システム共同センターが順調に稼動行数を増やしていることなどがある」としている。
上位企業の成長率が高いのは、単純に考えれば上位企業による市場の寡占化が進行しつつある結果とも考えられる。合併によって極端に大きな成長率を示したCTCの例からも、今後は下位企業を中心に合併等によって規模を拡大することで生き残りを目指す動きも出てくるかもしれない。
また、売上額で見ると、上位5社といっても内訳は上位3社とセカンドグループ2社に分かれるようにも見える。上位3社とはやや売上高で差が付いているNECと日立がどのような成長戦略を採るのかも、市場全体の動向に大きな影響を与えるかもしれない。