米Deloitte & Toucheは、新聞や雑誌などの紙メディアとオンラインメディアの比較調査レポート「State of the Media Democracy」を発表した。インターネットが普及しても、依然として紙面での情報閲覧を希望する人も多いことが明らかになっている。
同レポートは、米リサーチ会社のHarrison Groupが、米国内に居住する13~75歳の男女2,200名を対象にして、今春に実施した調査に基づくとされる。調査結果によれば、たとえオンラインで全く同じ内容のコンテンツが楽しめるとしても、雑誌は印刷された紙面で読みたいとの回答者が、全体の7割を超えた。
また、広告に関しても興味深い反応が明らかになっており、インターネット上の広告は目障りに感じることが多いとの回答は約8割に上ったのに対して、雑誌などの広告紙面に関しては、新しい製品サービスなどについて知ることができる重要なコーナーであるとの回答が約6割を占めたという。また、インターネット上で広告を一切見なくても済むようなサービスが有料で提供されれば、ぜひとも利用したいとの回答は約3割に達したようだ。
Deloitte & Toucheのテクノロジー部門に所属するEd Moran氏は「いわゆる古くからある伝統的なメディアには、驚くべき勢いもあることが判明した。アパレル業界を始めとする最新トレンドをキャッチするため、雑誌を読んでいる人は多いし、今後1年間で個人的に注目したいメディアのトップ5でも、3位に読書がランクインしている」とコメントした。
さらに、新聞や雑誌の広告を見て、その関連サイトをインターネット上で訪れることがあるとの回答者が、全体の64%に上ったほか、テレビCMを見て関連サイトの閲覧につながった人は65%、ラジオCMを聞いて閲覧につながった人は49%を占めたとされる。
Moran氏は、複数メディアの総合利用の重要性について言及しつつ「オンラインとオフラインの垣根を設けたりするべきでない。オンラインメディアとオフラインメディアは、互いに脅威となる存在であるといった理論は、非常に短絡的な反応である」と語った。