米Googleは米国時間の8月28日、Ajaxアプリケーション開発ツールの最新版「Google Web Toolkit (GWT) 1.4」をリリースした。GoogleのWebサイトからWindows/ Mac OS X/ Linux版を無償でダウンロード入手できる。同バージョンを利用することで、従来よりも小さく高速に動作するAjaxアプリケーションを作成できる。

GWTは、AjaxアプリケーションをJavaベースの環境で開発するためのフレームワークで、GWT 1.3 RCからオープンソース化されている。Google APIやGoogle Gearsなど、Googleが提供するWeb技術を活用する上でも役立つツールとなる。

改良されたGWT 1.4のコンパイラは、使用されていないコードを自動的に削除し、煩雑なコードを最適な形に結合・簡素化する。これにより生成されるJavaScriptコードが従来よりも格段に小さくなり、アプリケーションのロード時間の短縮につながる。既存のアプリケーションであっても、ソースコードをGWT 1.4でリコンパイルすることで高速化が可能だ。Googleのエンジニアリング・マネージャーであるBruce Johnson氏によると、「GWT 1.4によるシンプルなリコンパイルで、最大30%のアプリケーションの縮小、20~30%の高速化がユーザーから報告されている」という。

また複数の画像ファイルを1つにまとめてHTTP転送にかかるオーバーヘッドを低減するImageBundle、不必要なHTTPリクエストを省くキャッシング技術などによるアプリケーションの高速化が図られている。このほかリッチテキスト編集機能をもたらすRichTextArea、HorizontalSplitPanelおよびVerticalSplitPanel、オートコンプリート機能を提供するSuggestBoxなど、様々な機能拡張ウイジェットがライブラリに追加された。

GWTのサイトでは現在、バージョン1.4で作成したアプリケーションの動作をアピールするサンプル(メールアプリ)が公開されている。