富士通は27日、10月1日付けで会社分割(簡易新設分割)を実施し、共通テクノロジ部門を「富士通アドバンストテクノロジ株式会社」、デザイン部門を「富士通デザイン株式会社」とすることを発表した。

富士通アドバンストテクノロジは、長年にわたり蓄積してきた技術、ノウハウを活かし、富士通グループだけでなく、電子機器、装置メーカーなどのユーザー企業向けに、各種の開発・設計受託、テクノロジコンサルティングを提供する。製造メーカーとして一貫した技術ノウハウをベースに、回路技術ではLSI設計・高速信号処理技術、実装技術では微細接合技術・アセンブリ技術・冷却技術、また、部品技術では製品特性に合わせた部品の機能や特性評価技術、さらに、設計段階でITを活用し、性能・品質・組立性・保守性等を検証するシミュレーション技術と運用環境を有するという。

富士通デザインは、コンシューマー向け製品から企業向け製品まで幅広い製品/機能のデザイン、UIデザイン、オフィス/店舗の空間デザインなどを開発してきたノウハウを活かし、富士通グループだけでなく、広くユーザー企業向けに、IT工業製品デザイン、ユニバーサルデザイン等のコンサルティングを提供する。

本分割は、会社法第805条の規定により、会社法第804条第1項に定める株主総会の承認を得ることなく実施される簡易新設分割となる。この手法を選んだ理由として、同社は「新設会社の事業は当社グループにおいて重要な事業であり、手続きの迅速性から分社型新設分割とし」たという。また、新設会社は富士通の完全子会社となる。