英情報通信庁(Ofcom)は23日(現地時間)、英国における通信・メディアの利用動向に関する年次報告書「Communications Market Report 2007」を発表した。同報告書によると、固定電話、TV、ラジオの利用時間が減少し、携帯電話、インターネットの利用が増加。ネットでは、高齢者、女性の利用増が顕著で、子供の携帯電話やゲーム機の所有も増加しているようだ。

この報告書は、英国民のTV、ラジオ、インターネット、電話(固定と携帯)の通信・メディアの利用動向を調査したもの。

2006年、英国民は週平均50時間を通信・メディアに費やした。1日当たりの平均利用時間でみると、インターネットは36分で2002年の158%増、携帯電話は4分で2002年比58%増となったのに対し、TVは3時間で同4%減、ラジオは2時間50分で同2%減、固定電話は7分で同7%減となるなど、インターネットと携帯電話の利用が増加していることがわかった。

年齢別では、中・高齢者のインターネット利用が増加した。65歳以上でインターネットを利用する人は16%、この層は毎月平均42時間をインターネットに費やしており、英国で最もネット利用が多いヘビーユーザーであることがわかった。現在、英国のインターネットユーザーの25%、インターネット総利用時間の30%を50歳以上のネットユーザーが占めるという。

子供(8~15歳)の通信・メディアの利用も大きく変化している。ビデオゲーム、コンピュータゲームの利用、DVDなどビデオの視聴は減り、携帯電話、インターネット、MP3端末の利用時間が増加していることがわかった。携帯電話を「定期的に利用する」と回答した子供は、2005年の50%から2007年には53%に増え、インターネットは2005年の47%から2007年には52%に増加した。現在11歳児の75%が自分専用のTV、携帯電話、ゲーム機を所有しているという。Webカメラの所有は、13~15歳で15%、10歳で7%に及んだ。

女性のインターネット利用も増加傾向にある。25~34歳のセグメントでは、インターネット利用は総利用時間、ユーザー数ともに女性が男性を上回り、総利用時間の55%を女性が費やしているという。

技術分野では、デジタルTV利用者は80.5%に達しており、HDTVサービスの加入者は45万世帯あるという。HDTV加入者のうち43%は、「HDTV加入後TVの視聴時間が増えた」と回答した。

Ofcomではこれらの傾向のほか、料金についても触れている。それによると、2005年には通信・メディアに費やす金額は毎月92.65ポンドだったのが、2006年には94.03ポンドという。このような結果から、少ない料金で多くのことをしているとまとめている。