阿里巴巴傘下の「阿里媽媽」がこのほど、ネット広告に関わるオンラインサービスを開始した。主に中小企業向けに、広告主や広告業者のための業務プラットフォームを提供する。不動産や自動車、ブログといった広範な広告市場をカバーし、ユーザー間の広告スペース取引も可能としている。広告費用は、時間とアクセス数でカウントする2種類の計算方式を採用。広告形式は、テキストリンクと映像広告の2種類のサービスを提供する。

「広告自体が商品」――これが、阿里媽媽が打ち出す新コンセプトだ。サイト紹介にも明記されているように、広告そのものを「商品」とし、自由売買の対象にしていく。「広告を少数の人の"特権"にはしない」との理念のもと、広告主と広告業者が手軽に取引相手を見つけられるよう、ネット広告取引のプラットフォームを買って出る。

また、従来のサービスプロバイダーや、競売・電子商取引広告業者とは異なり、広告の市場規模自体を拡大しつつ、新たなプラットフォーム上で需給を広げて行くことを目的としている。広告主としては、「阿里巴巴」上の中小企業経営者、「淘宝網」の中小店舗、「支付宝」の各店、「口碑網」の個人および企業ユーザーなどを重要顧客として想定している。積極的に需給の両端を連結させ、双方のマーケティング目的と付加価値の向上を実現させようとしている。

阿里グループには現在、B2B、B2C、C2C、リアルタイム通信、ポータルサイトなど7種類のサービスサイトがあり、しかも各々の分野で、上位3位のポジションをほぼ確保している。特に阿里巴巴と淘宝網は、それぞれ1666万の法人会員と4000万に近い個人会員を擁している。同グループは阿里媽媽の設立をきっかけに、こうした優位性を強化すると同時に、これまでのリソースを整合、スケールメリットを実現してさらなる発展を図る構えだ。