RealNetworks、MTV Networks、Verizon Wirelessの3社は共同で、米国においてiTunes Storeに対抗する新たなデジタル音楽サービスを提供する。
新サービスは、Rhapsody AmericaというRealとMTVが新たに設立した合弁事業を通じて提供される。MTVは、音楽プログラム、音楽ファンのネットワーク、若者層に対するマーケティング力という武器を持ち、Realはメディア技術や家電業界とのつながりを強みとする。「お互いの長所が補完関係にある理想的なパートナーである」(発表文)としている。Rhapsody Americaはニューヨーク、シアトル、サンフランシスコに拠点を置き、MTVの音楽サービス「URGE」のゼネラルマネージャーだったMichael Bloom氏が責任者となる。
MTVは2006年5月にMicrosoftとの提携でデジタル音楽サービスのURGEを開始した。PlaysForSure対応のサービスだったが、その後Microsoftが音楽プレーヤー「Zune」と共に独自のデジタル配信サービスを開始した。それが両社の蜜月に綻びを生じさせ、URGEの伸び悩みもあって、MTVはRealとの新たなパートナーシップに踏み切った模様だ。
Verizon Wirelessはモバイルプラットフォームの提供パートナーとしてアライアンスに参加する。新サービスは同社のV CAST Musicに統合されるという。
新サービスの詳細については明らかにされていないが、米国時間の8月21日からURGEユーザーは同サービスのユーザーネームとパスワードでRealのRhapsodyにログインし、2つのサービスを利用できるようになった。このまま段階的にURGEがRhapsodyに取り込まれていく可能性が高い。3社による発表文の中でも、新サービスを「新たなRhapsody」と表現するコメントが見られる。URGEとの統合に伴い、RhapsodyユーザーはMTV、VH1、CMTなどが提供するプログラムを利用できるようになる。またVerizonは今後数カ月をかけて、既存のV CAST Musicユーザーが購入した楽曲とRhapsodyアカウントで重複している曲の調整、Rhapsodyのサブスクリプション・サービスへの対応などを進めるそうだ。
MTVは米国時間の9月9日に、ラスベガスで開催されるVideo Music Awardsを放映する予定で、同イベントを通じて新サービスが大々的にアピールされることになりそうだ。