米Salesforce.comは8月15日(現地時間)、同社会計年度で2008年第2四半期(2007年5-7月期)決算を発表した。同四半期の売上は1億7700万ドルで、前年同期比約1.5倍。純利益は374万ドルで、前年同期の15万ドルの赤字から大幅増益となった。同期の新規契約企業数が3000と過去最高を記録し、特に大企業ユーザーを中心とした大口契約の増加が業績を後押ししている。

「われわれのビジネスは、引き続き驚くべき成長を見せている。1年前にわれわれの最大のユーザーだった企業の契約数がおよそ7500だったのに対し、現在では3万契約を超えるユーザーが2社、2万契約を超えるユーザーが4社、1万契約を超えるユーザーが5社、1000契約を超えるユーザーが68社となった。特に1000契約を超えるユーザー企業の数は半年前と比較して40%も増加している」と同社会長兼CEOのMarc Benioff氏はコメントしている。

ユーザー企業数の顕著な伸びも今期の特徴で、同四半期だけで3000ユーザーを獲得し、これまでで過去最高を記録した。総ユーザー企業数は3万5300で、前年同期から1万500ユーザー増加の42%アップとなる。企業ごとの契約数を合わせた総契約数は約80万で、こちらは前年同期比60%アップだ。企業ユーザー数と比較しても契約ユーザーの数が多く、大規模ユーザーの増加、あるいは既存の試験導入ユーザーが契約数を増やして本格稼働を開始したことを示すものといえるだろう。

同社は第3四半期の売上について1億8700万~1億8900万ドル、2008年度通年での売上は7億2700万~7億3200万ドルを見込んでいる。今後も継続的にユーザー数が一定ペースで増えることを前提にした見通しだが、オンデマンドCRM市場は今後もまだまだ開拓の余地があり、課題の1つだった大企業ユーザー獲得も実現しつつある。今後はオンデマンド・サービスの業界リーダーとして、同市場への進出を進めているSAPやOracleなどと、どのように立ち回っていくかが課題になるとみられる。