米Dellは6日(現地時間)、音楽配信サービス/ソフトウェア開発を行う未公開企業の米ZING Systems買収で合意したと発表した。買収金額などの詳細は公表されていない。ZINGはSanDiskの携帯音楽プレイヤー「Sansa Connect」向けにソフトウェアやサービスのライセンスを行っていることで知られる。Sansa Conncetは無線LAN機能をサポートしたiPod型デバイスで、インターネットラジオのストリーミング配信とダウンロードサービスを組み合わせることにより、ストリーミング配信された楽曲を外出先でもそのまま楽しむことができるというもの。同製品はCNETが選ぶ「Best of CES 2007」を獲得している。
コンシューマ市場で米Hewlett-Packardに差をつけられPCの世界販売で同社に首位の座を奪われたDellは、2007年1月にCEOに返り咲いた創業者のMichael Dell氏の陣頭指揮の下、体制の立て直しを急ピッチで進めている。これまで同社が拡大戦略で企業買収を行うことは極めて希だったが、ここ最近だけでもIT資産管理の米ASAP Softwareと米Silverback Technologiesの買収を立て続けに発表するなど、大きな動きを見せている。今回のZING買収も、こうした製品ポートフォリオ拡充の一環とみられる。特にZINGは、Dellにとって失地回復となるコンシューマ部門をカバーする企業であり、同社のソフトウェアをサービスを用いて他社の類似製品と差別化を図っていくのが狙いだと思われる。