三井物産戦略研究所、野村総合研究所、電通国際情報サービス、フライトシステムコンサルティングの4社は6日、オープンソースソフトウェアで構成された電子自治体共通基盤システム「戦略研フレームワーク」を共同展開することで合意したと発表した。同フレームワークは、三井物産戦略研究所が支援し埼玉県鳩ヶ谷市が開発した「鳩ヶ谷共通基盤」のソースコードをNRIの「OpenStandia」に組み込んだもの。無償で提供され、構築期間/開発費用の削減に大きく貢献するという。
三井物産戦略研究所は、地方自治体の電子化をオープン系技術により支援する「オープンスタンダード化支援コンソーシアム」(OSAC)の事務局を務めており、活動の一環として、福岡県が開発した「電子自治体共通化技術標準」、鳩ヶ谷市が開発した「鳩ヶ谷共通基盤」のソースコードをWebサイト「OSAC Tech Portal」上で公開している。
戦略研FWは、鳩ヶ谷共通基盤をNRIのオープンソース・プロダクトスタック/サポートサービス「OpenStandia」に組み込む。OpenStandiaでは、オープンソースを組み合わせてシステムインフラを構築するための推奨アーキテクチャやパラメータ設計などを体系化したサーバ基盤を提供している。NRIは、戦略研FWの専用インストーラを開発し、自治体向けOpenStandiaとして、有償で長期の保守サポートを行う。
三井物産戦略研究所などによれば、電子自治体構築に戦略研FWを利用する場合、鳩ヶ谷共通基盤や福岡県共通化技術標準などを使用できるため、基盤設計をゼロから行う必要がなくなり、構築期間や開発費用が削減できるという。また、機能、性能、セキュリティなどについて検証済みの構成を提供することで、インストーラにより10分程度で導入が可能になる。OSSを使用することによる、コスト削減効果も期待できる。
また、戦略研FWは、地域の独立系IT企業に対して基盤構築に必要な技術とノウハウを提供し、地域企業の電子自治体構築市場への参入拡大を支援することにもつながるという。すでに、熊本市や新潟市の地元企業が、戦略研FWへの対応を表明しており、同フレームワークを活用したアプリケーション開発/システム統合を進めていく予定である。