調査会社の米comScoreは、世界のSNS利用事情を調査した最新レポートの発表を行った。急速にユーザー数を伸ばし続けているSNSは少なくないものの、特定の国や地域に人気が集中する傾向も浮き彫りになっている。

世界各国の15歳以上のインターネットユーザーを対象にした同調査によれば、今年6月に最も多くのユニークユーザー数を抱えたSNSはMySpace。昨年6月から72%増となる約1億1,414万7,000人を記録した。2位のFacebookは、前年同月比270%増となる目ざましい成長率が報告されているものの、ユニークユーザー数は約5,216万7,000人とされ、MySpaceの半分にも満たない。3位以下は、Hi5、Friendster、Orkut、Bebo、Taggedの順に続いている。

同社International Markets部門取締役副社長のBob Ivins氏は「過去1年の間に、SNSは世界的なブームとなった。毎月世界で数億人がSNSを利用しており、毎日利用しているユーザーも数多く存在する。SNSは一時の流行ではなく、インターネットの本質的な利用方法として定着していく可能性もある」とコメントした。

しかしながら、各SNSはユーザー数を順調に伸ばしているものの、その利用地域には偏りも見られる。例えば、MySpaceユーザーの62%、Facebookユーザーの68%は北米地域に、Beboユーザーの63%は欧州地域に集中している。一方、Friendsterユーザーの89%はアジア太平洋地域で占められ、Orkutユーザーは、南米(49%)とアジア太平洋(43%)に二分されている。

Ivins氏は「地域の文化に深く根ざすことにより、SNSが成功を収めてきた面もある。特定地域の特定ユーザーの心をつかみ、急速に交流を広げることで人気を得たSNSも少なくない。しかしながら、SNSが究極の目標として掲げている、国や文化の違いを超えて、世界各地のユーザーを結びつけるようなネットワークとしての役割を果たすことができるのか、今後の展開を見守っていきたい」と語った。