富士通と独Siemens AGのITソリューションサービス事業部門であるSiemens IT Solutions and Services(以下、シーメンス)は2日、「手のひら静脈認証サービス」で協業すると発表した。

富士通の「PalmSecure」は、手のひらに近赤外線を照射して静脈パターンを読み取り、登録済みの静脈パターンと照合して本人確認を行うもの。非接触で認証を行うことができ、医療機関やATMなど衛生的な認証が求められる分野での使用に適している。また、手のひら静脈は体内情報のため複製が困難で、指紋認証と異なりケガや汚れの影響を受けにくいという。

「PalmSecure」は、すでに日本国内だけでなくグローバルに金融機関、病院および大学や自治体など、高い認証精度を必要とする分野で幅広く採用されている。また、シーメンスの生体認証ソリューション「ID Center」は、高度なセキュリティ管理実現が可能なことから、公的機関や医療、産業分野を中心に世界中で導入されているという。

今回の協業は、富士通側にとっては、特に欧州における「PalmSecure」のグローバルビジネスを加速させるのが狙い。片やシーメンス側は、既存の顔/虹彩/指紋を用いた生体認証に、新たに「PalmSecure」を自社の「ID Center」に採用することで、より新しい生体認証ソリューションを開発することが可能となることから、ビジネスをさらにグローバルに展開することを目的としている。