中国のテレコミュニケーション設備・ネットワークソリューション大手の中興通信(ZTE)はこのほど、米携帯キャリア大手のSprint NextelとWiMAX機器に関する購買契約を締結したと発表した。ZTEは、ホームネットワーク向けのWiMAX Modemに加え、ExpressCardやUSBで接続できるモバイル向け機器をSprint Nextelに提供することになる。
ZTEによれば、Sprint Nextelは今後2年の間に30億ドルを投資、WiMAX ネットワークを構築する。2008年末には商業運転に入り、1億以上のユーザーにWiMAXサービスを提供する計画だ。Sprint Nextelは米国で全国規模のWiMAXネットワークを整備することを公表しており、この規模は世界的にみてもめずらしいものといえる。Sprint Nextelには現時点で3社のWiMAX機器サプライヤーがおり、ZTEはそのうちの1社となる。
ZTE会長の候為貴氏は、「Sprint Nextelにアドバンスト・ワイヤレス・ブロードバンド・ネットワークのソリューションを提供できることを、非常に光栄に思う。ZTEはR&D資源とイノベーション力を活用しながら、市場需要を満足させていく。ZTEはSprint Nextelと共同で米国のユーザーに次世代ワイヤレス技術を提供していく」と語った。
Sprint Nextel 4G Mobile Broadband部門PresidentのBarry West氏は、「ZTEはリーディングイノベーション企業であり、強力なR&D資源とグローバルブランドを持っている」と話し、ZTEを高く評価している。
ZTEはこれまでにも米国で4件のCDMAネットワーク契約を締結しているが、いずれも規模が小さく、パートナーも主流キャリアではなかった。このため、今回のSprint Nextelとの購買契約は、ZTEにとってみれば米国市場進出を本格的に果たすための一里塚的な意味を持つと言えそうだ。