IBMは1日、今後5年間で同社のデータセンタに設置された約3,900台のサーバを30台程度のメインフレームに統合する計画を発表した。この計画により、データセンタで使用している電力のおよそ80%を削減できる見込み。これは小さな町の電力需要をまかなえる量に相当するという。
今回の計画では、米国ニューヨーク州のポケプシー、コネチカット州のサウスベリー、コロラド州のボールダー、英国のポーツマス、オーストラリアのシドニー、大阪に設置された同社のデータセンタが対象となる。これらのデータセンタの延べ床面積は約74万平方メートル(東京ドーム約16個分)にも上るという。
具体的には、これらのデータセンタで現在稼動している3,900台あまりのサーバを仮想サーバに置き換え、仮想化機能を備えた約30台のメインフレーム(物理サーバ)上で稼動させる。なお、メインフレームには、LinuxをOSとする「System z」を使用する。
今回の計画は、電力だけでなくコストの削減も図れるという。一般にソフトウェアのライセンス料はプロセッサやプロセッサコア単位で設定されている。物理サーバを大幅に削減することにより、プロセッサ数も減るため、ライセンス料を抑えることができる。また、システム管理を行う技術者の作業も軽減できるため、今後はより付加価値の高いプロジェクトに取り組めるようになるという。
なお、不要となる約3,900台のサーバは、同社の「IBMグローバル・アセット・リカバリー・サービス」によりリサイクルされる。同社では、データセンタにおける電力消費を大幅に削減するためのプロジェクト「Project Big Green」を今年5月に発表しており、今回の計画はこのプロジェクトの一環として推進される。