Googleは31日(米国時間)、GWT(Google Web Toolkit)を使って開発が進められている新しいエディタフロントエンドのWebアプリケーション「Google Mashup Editor」について発表した。同アプリケーションはコーディングをほとんどすることなく簡単にマッシュアップを実現することを目的にして開発されているエディタタイプのWebアプリケーション。コーディングするかわりに標準のHTMLタグや拡張タグを記述することでUIの記述やフィードやデータの制御を行う。ドキュメントやフォーラムは公開されているが今のところ限られたデベロッパのみが試用できるようになっている。
Google Mashup Editorで注目すべきは開発フレームワークとしてGWTを採用した点にある。GWTはGoogleで開発されているWebアプリケーション開発用フレームワーク。JavaでWebアプリケーションを開発することで、最終的に各Webブラウザで動作するJavaScriptとサーバ側で動作するアプリケーションが生成されるという特徴がある。JavaScriptを記述せずとも互換性が高く転送効率のよいWebアプリケーションを開発できるということで注目されている。
同開発チームはGoogle Mashup Editorの開発を手がけるにあたって、手動で開発されたAjaxアプリケーションをいくつも開発していたが、このアプローチには多くの問題があったと説明している。JavaScriptをそのまま使ってAjaxアプリケーションを開発することもできるが、同開発チームではより厳密なオブジェクト指向に準拠した開発が可能になること、GWTがWebブラウザの互換性を吸収することから手間が互換性チェックの手間が省けること、サーバ側も同時に開発する必要があることからサーバ側との通信メカニズムが用意されているGWTが便利であることなどを理由にあげてGWTを採用したことを説明している。
現状でどのようなアプリケーションになっているかは提供されているドキュメントから推測するしかないが、提供されているGoogle Mashup Editor Tourを見る限りでは、拡張タグとフィードを組み合わせてマッシュアップしたWebページを作成するためのエディタWebアプリケーションといったもののようだ。今後の開発展開に注目していきたい。