米Sun Microsystemsは30日(現地時間)、同社会計年度で2007年第4四半期(4 - 6月期)の決算を発表した。同期の売上は38億3,500万ドルで前年同期のほぼ横ばい、一方で2007年通年では138億7,300万ドルとなり、前年比約6.2%のアップとなっている。売上が比較的フラットな成長なのに対し、大幅な改善が見られたのが営業利益と純利益だ。特に純利益(損失)は昨年度の8億6,400万ドルの赤字に対し、2007年度は4億7,300万ドルの黒字を達成しており、利益面で大幅な業績改善を実現したことがわかる。
2007年度のグロスマージンは前年から2.1ポイント上昇して45.2%、営業利益は8億7,000万ドルの赤字から3億900万ドルの黒字にまで回復している。GAAPベースの純利益は4億7,300万ドルで、EPSは13セント。2007年度に得られたキャッシュフローは5億6,400万ドルとなり、既存のキャッシュと貸借を合わせたトータルでは約59億ドルに達する。「強固な戦略と継続的な実行により、『第4四半期に下限で4%のオペレーティングマージン』という目標を達成できた。これは、(現在は2.2%という)通年でのオペレーティングマージンを2009年には10%に到達させる長期計画への大きな前進だ」と米Sun Microsystems社長兼CEOのJonathan Schwartz氏は今回の成績を評価する。
前述のように、Sunの通年ベースの売上はほぼフラットだ。製品ビジネスの売上は前年比1%ダウン、サービスビジネスの売上は3%のアップで、トータルではほぼゼロ成長となる。こうしたなかで赤字体質を改善させるひとつの鍵が、コスト削減による利益率の増加だ。売上がゼロ成長となる一方でグロスマージンは大幅に改善されており、これが収益を押し上げる要因となっている。
また今後の鍵となるのはコスト削減のほか、Solaris 10などのソフトウェアのライセンス収入の増加、サービスビジネスの拡充、サーバ市場の開拓だ。大規模サーバ人気という市場トレンドとx64サーバ製品の好調という追い風を受け、サーバ市場での輝きを取り戻しつつあるSunだが、2007年度はCMT技術を用いたUltraSPARC T1(Niagara)搭載サーバの売上が急増しているという。同社では直近でNiagara2やRockなどの次世代プロセッサのリリースを控えており、ハイエンドサーバの世界での技術リーダーの地位を堅持すべく2008年度を走り出す。