米Googleは26日(現地時間)、Google Earthの有料版で企業向けの「Google Earth Enterprise」を利用するユーザーに対して、Webブラウザを通してGoogle Earthのリソースにどこからでもアクセスできる新機能を追加したと発表した。またこの新機能の延長として、企業が自身で持つ写真や地図データをGoogle Maps APIを通じてWebブラウザに出力する機能も加えられている。これにより、例えば不動産会社が自身の物件の図面データをGoogle Maps上にオーバーレイとして出力し、ユーザーがWebブラウザを通してどこからでも自由にその内容を確認することも可能となる。

Google Earthの出力データは、専用クライアントから疑似3Dのビューで確認するのが一般的だが、見栄えのする出力が得られる反面、使用環境やマシンが限定されるという難点もある。今回、Webブラウザ上でこれらデータを2Dイメージで確認できる機能が追加されたことにより、より地図データとそれに紐付けされた関連データの扱いが容易になった。

Googleが紹介するのはDell.comのGoogle Earth活用例だ。DellではDell.comへのアクセス状況を地形データと組み合わせてGoogle Earth上でビジュアライズする仕組みを構築している。今回、Google Earth Enterpriseに2DデータとしてWebブラウザへ出力する機能が加わったことで、専用クライアントを導入している社内ユーザーだけでなく、社内外で活動する従業員ほか、パートナー企業が簡単に最新情報を確認できるようになる。

Dell.comのトラフィック状況を地形データと組み合わせてGoogle Earth上でビジュアル化したところ。Webブラウザへの出力機能を加えることで、社内外の従業員やパートナー企業が簡単に最新情報を確認できる(「The Official Google Blog」より)

企業内にはこうした地図データに紐付けできる重要なデータが数多く眠っていることがあると思うが、これらを有効に活用し、内外の人々が安全にかつ簡単にアクセスできる新たな手段が提供されたことになる。今回追加された主な新機能群は下記の通り。

  • Webブラウザを通してのGoogle Earth Enterpriseへのセキュアなアクセス
  • 写真イメージ等のマップへの埋め込み
  • JavaプラグインやGoogle Search Applianceを通しての複数の検索サービスの統合
  • KMLイメージ生成ツール
  • ベクトルデータ処理で最大10倍、サーバのレスポンスタイムで最大2倍の処理能力向上
  • LDAPやSSLによるセキュアアクセスサポート