米IBMは25日、スキルアップとリーダー育成のためのプログラム「Global Citizen's Portfolio」を導入すると発表した。
同プログラムは、同社が社員に対して、グローバルなリーダー、プロフェッショナル、および市民になるためのスキルと専門知識を強化することを目的に創設するトレーニングプログラム。同社では、このプログラムに今後3年間で最大6,000万ドル(約72億円)を投資する。
このプログラムは3つの要素で構成される。1つめの「Matching Accounts for Learning」は、最低5年以上勤務している社員を対象に、教育/学習資金の50%を会社が負担するというもの。年間1,000ドル(約12万円)までの給付金は、利子付き口座に預けることができる。また、このプログラムは、米国で試験的に実施された後、地域ごとのスキル/トレーニングの必要性、教育に対する政府の支援に基づき、グローバルに展開される。
2つめの「The Corporate Service Corps」は、同社の社員を21世紀のビジネス背景となっている、さまざまな文化、政策環境に触れさせることを目的に、NGOと協力して、さまざまな国の異なる事業部門に所属する社員によって構成された小グループを、新興経済国や発展途上国を対象とした、会社組織の外部に配置するというもので、最初の3年間で約600名のIBMの参加者が全世界から選抜される予定だ。
3つめの「Enhanced Transition Services」では、同社の社員を政府機関、非営利団体、教育団体、および経済開発団体での体験を積む機会を提供。需要の大きな分野で、必要とされるスキルを把握し、社会に貢献するために、第2のキャリア開発を支援するプログラムだ。
同社の会長で、社長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏は「地球規模の競争という現実とイノベーションの力によって、これまでにないペースで科学、ビジネス、技術の最前線が変化しているため、専門的知識は固定的ではなくなっている。競争力を維持するためには、企業やコミュニティ、国家と同様に、個人もまた新しい分野や新しいスキルを学んで、継続的に適応していく必要がある。今回発表したプログラムは、IBM社員が新しいスキルを身につける能力を高める」と語った。