米Microsoftは26日(現地時間)、広告関連サービス企業の米AdECNの買収で合意したと発表した。金額等の詳細は公開されていない。買収はMicrosoft会計年度で2008年前期(2007年7-12月期)にも完了する見込み。AdECNは「AdECN Exchange」と呼ばれるオンライン広告を売買するマーケットプレイスを展開しており、Microsoftが以前に買収したaQuantiveに続く一連の広告事業強化の一環となる。

AdECNは米カリフォルニア州サンタバーバラを拠点に2003年に設立されたばかりのスタートアップ企業で、30名ほどの従業員が所属している。Microsoftによれば、AdECN買収は同社の「包括的な検索・広告プラットフォーム提供」という戦略を補完するもので、それらに必要な主要技術やノウハウを今回の取引で獲得できるという。今回の買収による利用者側のメリットとしては、広告主と広告掲載側の両者が互いのビジネスチャンスを拡大し、高い投資効果を得られる環境が用意されることにある。AdECNは買収後も独立拠点としてビジネスやサービスを継続し、Microsoftのオンラインサービスビジネス部門の一部として組み込まれる。

オンライン広告の世界では、広告パートナーの獲得と同時に、広告主と広告配信側の両者をサポートする広告配信システムの整備が急務となりつつある。検索とオンライン広告を早期から結びつけて業界をリードする米Googleは2007年4月、オンライン広告の世界では老舗の米DoubleClick買収を発表し、従来のAdWords広告を補完する広告システム整備の足固めを行いつつある。同様の動きは広告配信の新システムを稼働させたばかりの米Yahooなどでも進んでおり、Microsoftの今回の買収はライバル対抗のための新たな施策の1つとなる。