ドットコムバブルを象徴するドメイン名の高額取引だが、いままた再燃しようとしている。1999年に750万ドルで売買が行われた「Business.com」だが、電話帳会社のR.H. Donnelleyが26日(現地時間)に発表した声明によれば、同社がBusiness.comの3億4500万ドルでの買収で合意したと述べており、高額ドメインの世界記録を作ったドメインが、その取引で再び記録を塗り替えたことがわかった。
Business.com売却の話題は、ここ数カ月ほど米「Wall Street Journal」紙らの報道でその動きが伝えられてきており、当初は4億ドルの希望価格が設定されていた。最終的には3億400万 - 3億6,000万ドルで交渉が詰められ、今回のR.H. Donnelleyの発表で3億4,500万ドルで確定したことが判明した。
Business.comは1999年、米Earthlinkを設立したJake Winebaum氏と、米Buena Vista Internet Group会長だったSky Dayton氏の2名の起業家によってBusiness-to-Business(BtoB)をターゲットにした企業情報ポータルとしてスタートした。2人は同年に設立したeCompaniesを通して「Business.com」のドメインを750万ドルで購入している。実はこの取引が行われる直前の1997年、Business.comが無名の会社によって買い取られたときの金額は15万ドルだった。この750万ドルというドメインの売買金額の記録はいまだ破られておらず、当時はバブル期の買い物として象徴的な存在として語り継がれていた。
今回、R.H. Donnelleyの買収によって再び自身の記録を塗り替えることになった「Business.com」だが、今後はどのような変革をたどることになるのだろうか。R.H. Donnelleyは米ノースカロライナ州を拠点に全米に「イエローページ」と呼ばれる電話帳サービスのほか、オンラインローカル検索サービスを提供する企業。今回の買収を通して同社は「Business.com」「Work.com」「Business.com Advertising Network」などのブランドを所有することになり、ビジネス情報検索やオンライン広告をさらに強化するのが狙いだという。R.H. Donnelleyのサービスは、もともとBusiness.comが提供していた情報サービスの延長線上にあるもので、買収はブランド強化を狙ったものであることがわかる。