米Microsoftは23日(現地時間)、Microsoft版のRuby実装である「IronRuby」のソースコードを公開した。同社では.NET Framework上における動的言語実行環境としてDynamic Language Runtime(DLR)を発表しており、この上でPyhtonやJavaScript、Dynamic Visual Basicなどの動的言語の実装を進めている。IronRubyもその試みの一環であり、.NET Frameworkに統合されてWindowsプラットフォーム上で動作する。
DLRが最初に発表されたのは4月30日から5月2日にかけて開催されたMIX07においてのことである。このときIronRubyとしてDLR上でRubyをサポートすることが公表されていた。今回、そのIronRubyのソースコードが初めて公開されたというわけだ。
IronRubyのソースコードは現時点ではDLRチームのメンバーであるJohn Lam氏のブログ上のエントリよりダウンロードできる。同氏によれば、8月末までにはRubyForgeでも公開するとのことだ。
RubyForgeはRubyに関連した各種プロジェクトのポータルサイト。IronRubyはMicrosoftの定めるシェアードソースライセンス「Microsoft Permissive License」のもとで公開されている。
Lam氏はIronRubyではライブラリへのコードの提供を歓迎すると述べている。その一方で、コンパイラに対するコード提供は受け入れない方針も明らかにしている。IronRubyのベースとなるDLRのパブリックインタフェースがまだ完全なものではないというのがその理由だ。ただし、将来的にDLRが十分に成熟した段階でIronRubyを全てオープンにして外部からのコード提供も受け入れるようにするとのことである。
なお、リッチインターネットアプリケーション実行環境としてMicrosoftがリリースしている「Silverlight 1.1」にはDLRが搭載されているため、DLR上で動作するスクリプト言語、例えばIronPythonなどはSilverlight 1.1上で実行することができる。したがって、IronRubyもSilverlight 1.1を通じてWindowsプラットフォーム以外でも実行できるようになる予定だ。