LG電子は19日、第2四半期決算を発表した。売上高は10兆4,302億ウォン(約1兆3,923億6,448万円/1円=0.1334ウォン)となり、四半期別では初めて10兆ウォンを超えた。また、営業利益は前期の277億ウォン(約36億9,777万円)から大幅増の4,636億ウォン(約618億8,761万円)だった。
「プラダ携帯」など携帯電話事業が好調
今回のLG電子の実績を支える要因の1つとなったのが、携帯電話を含むMC(Mobile Communications)事業本部の好調だ。同事業本部の売上高は前期比24.4%増の2兆8,649億ウォン(約3,824億4,568万円)、営業利益は「四半期別では最高」(LG電子)という3,245億ウォン(約433億1,865万円)を記録した。
特に携帯電話の売上高は、前期比および前年同期比でそれぞれ15.1%、26.9%ずつ増の2兆7,092億ウォン(約3,617億6,936万円)。販売量も1,910万台で、前期の1,580万台を21%も上回った。LG電子では好調ぶりについて、アジア・北米市場における3G端末および、欧州・中南米市場におけるGSM端末の物流増加を挙げている。また世界的に話題となった「プラダ携帯」のように、高価・高付加価値モデル中心のラインナップで収益性の大幅な改善に成功したとしている。
MC事業本部と並んで好調だったのが、エアコンや洗濯機など家電関連のDA(Digital Appliance)事業本部だ。売上高は前期比22.5%増、昨年同期比21.4%増の3兆6,039億ウォン(約4,812億4,192万円)、営業利益は2,921億ウォン(約390億518万円)を記録した。
韓国市場ではエアコンおよび冷蔵庫、北米および欧州では高価・高付加価値家電の順調な売り上げが、好調を支えた要因だったという。特に韓国ではフレンチドア(観音開き)冷蔵庫などの売れ行きが良く、この分野が昨年と比べ約30%売り上げを伸ばすなど好調ぶりが目立ったが、下半期も秋・冬に活況を見せるキムチ冷蔵庫などにより同様の状況が続くとみている。
ディスプレイ関連事業が不振、下期で逆転なるか
MC事業本部やDA事業本部とは逆に赤字となってしまったのが、ディスプレイ関連のDD(Digital Display)事業本部と、PCやAV製品などのDM(Digital Media)事業本部だ。
DD事業本部の売上高は2兆7,268億ウォン(約3,641億1,958万円)で、営業損失は1,383億ウォン(約184億7,274万円)を計上した。とはいえ、売上高は前期比で2.1%程度の減少にとどまったほか、営業損失も2,621億ウォン(約349億9,916万円)だった前期よりは赤字幅が改善されている。
同部門の中で売り上げが減少したのは、前年比16%減のPDPモジュールだ。一方、薄型テレビの売り上げは昨年同期比で10%程度伸びており、赤字である中にも明るい材料が見えている。
またDM事業本部の売り上げは前期比9.8%減少の1兆2,459億ウォン(約1,663億6,959万円)、営業損失は39億ウォン(約5億2,078万円)となった。
この結果についてLG電子では「AV製品の販売価格下落と、時期的に閑散期だったための製品の売り上げ不振」を挙げている。同社では、下半期に高付加価値な製品のリリースをすることで収益性の改善に取り組むと説明している。
一部の部門では赤字も出してしまったものの、全体的に見ればかなり改善された結果となったが、これはMC/DA事業本部の売り上げ増加によるところが大きい。実はMC事業本部も2006年前半には赤字を計上したが、高付加価値端末など収益性改善の戦略が的中した。DD/DM事業本部は前期に続く赤字とはなったが、MC事業本部のような体質および戦略改善によって実績好転の見込みは十分あるといえる。