NECエレクトロニクスとデジタルテレビ分野開発・研究の北京賽科世紀数碼科技 はこのほど、STB(セットトップボックス)を共同開発したと発表した。NECエレクトロニクスは先ごろ青島で開催された中国国際消費電子博覧会において、この新型STBを展示した。

新型STBはNECエレクトロニクスが開発したSTB用コード解読チップをベースにしており、主に衛星テレビ放送用のSTBで利用されるが、地上放送や有線放送向けに転用することも可能だ。DVB-SやMPEG-2など、アジア及びヨーロッパで使用されている映像圧縮標準をサポートするだけでなく、PALやNTSCなどもサポートするという。

NECエレクトロニクス 第二SoC事業本部 副事業本部長の新津茂夫氏は、「賽科世紀が今回開発したEMMA2SL/Sをベースにしたチップは、新型のSTB開発に大きく寄与した。当社は賽科世紀など中国国内の優れた設計会社との提携を通じ、中国のSTBメーカーにより便利で、より高いコストパフォーマンスのSTBを提供する」と述べた。

賽科世紀総経理の李登彪氏は、「NECエレクトロニクスのEMMAシリーズのチップ製品は、その優れた性能、画像処理能力で、衛星及び地上放送STB分野において業界をリードしている。我々はNECエレクトロニクスとの長期的提携を通じて、絶えず中国市場のニーズに合ったSTBを開発し、成長し続ける中国STB市場のニーズに応えていく」と語った。

中国市場の成長拡大や2008年北京五輪の経済効果もあり、中国国内ユーザーのSTBなどのデジタルAV製品やデジタルテレビへのニーズはますます高くなっている。一部の業界筋は、2010年までにNECエレクトロニクスのEMMAシリーズ製品の中国市場全体における販売額が、10億元に達すると予測している。