SAPジャパンとアドビシステムズは18日、SAPジャパンが提供する基幹業務システム「SAP ERP」の販売強化に関して協業することを発表した。両社はすでに「アドビ・コンピテンスセンター」を共同で設立。さらにパートナー企業向けのマーケティング活動も連携して進めていく。
SAPとAdobeの協業関係はグローバルに展開されている。2002年、独SAPと米Adobeがアライアンス契約を締結。3年後の2005年には、AdobeのPDF技術をSAP製品に組み込むための開発/実行環境「SAP Interactive Forms by Adobe」をリリースしている。その後も以下に示すとおり、両社のテクノロジーを統合した製品を毎年送り出しており、来年にはSAPに対して「AIR(Adobe Integrated Runtime)」の技術提供が行われる予定だ。
年 | 両社の協業成果 |
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2002年 | 独SAPと米Adobeがアライアンス契約を締結 |
2005年 | AdobeのPDF技術をSAP製品に組み込むための開発/実行環境「SAP Interactive Forms by Adobe」を発売 |
2006年 | AdobeのFlexがSAPの「NetWeaver Visual Composer」に取り込まれる |
2007年 | Web会議に対応したコラボレーションツール「Adobe Connect Professional」をベースにしたeラーニング環境「SAP Enterprise Learning environmen」を発表 |
2008年 | Adobeが現在開発中の次世代RIA(Rich Internet Application)プラットフォーム「AIR」の技術提供を予定 |
SAPでは、こうしたAdobeとの協業を通じて「ユーザーエクスペリエンスの向上を実現している」(SAPジャパン代表取締役社長 ロバート・エンスリン氏)という。Adobeの技術を取り込むことで、SAPの業務システムに対する入力をPDFやRIAといったビジュアルなインタフェースにより行える。経営者の下には、これらが教育コストおよびオペレーションコストの削減というかたちで跳ね返ってくることになる。
今回の協業の一環として、SAPジャパンとアドビシステムズはすでに「アドビ・コンピテンスセンター」を設立している。同センターは、SAP Interactive Forms by Adobeの営業活動をサポートするためのもので、12名の技術者/プリセールスエンジニアによって構成されているという。
また、両社は今後、セミナーやイベントなど、パートナー企業向けのマーケティング活動も共同で実施する予定。現時点では、以下の3つのイベントにおいて互いに協賛し合うことが決まっている。
- 「SAP BUSINESS SYMPOSIUM '07 - ビジネスの源泉、それは現場力」(7月24日開催)
- 「SAP SAPPHIER'07 Miyazaki SEAGAIA」(10月28日~31日開催)
- 「Adobe MAX JAPAN」(11月1日~2日開催)
加えて、SAPジャパンのパートナー向けにアドビシステムズが特別トレーニングコースを実施するなど、技術者教育の面でも連携を強化していく構えだ。