メディア王Rupert Murdoch氏率いるNews Corp.による米Dow Jones買収提案について7月16日(米国時間)、Dow JonesのボードメンバーらがNews Corp.の買収提案を受け入れるための最終調整に入ったと、米Wall Street Journal紙(電子版)が報じている。買収金額は当初News Corp.側が提示していた1株あたり60ドルの計50億ドルとなる見込みで、すでに買収の仮合意に達しており、あとは最大の障壁となるBancroft一族の承認さえ得られれば、買収が成立することになる。

News Corp.はオーストラリアを中心に世界中のメディア企業を傘下に抱える巨大メディアグループで、米5大ネットワークの1つFox TVもグループの一員である。一方のDow Jonesは「Dow Jones Industrial Average (ダウ平均株価)」やWall Street Journal発行など、経済や株価関連の情報サービス企業。この買収提案はDow Jonesによって5月初旬に初めて明らかにされ、買収に抵抗するBancroft一族と、買収受け入れで揺れ動く現経営陣の間での確執が、2カ月半あまりにわたって報じられてきた。

Wall Street Journalの報道によれば、News Corp.とDow Jonesの代表による交渉が15日に最終局面を迎えており、16日夜に開催されるDow Jonesの役員会で買収受け入れに向けた最後の話し合いが行われている段階だという。最大の難関はDow Jones創業者一族で、同社の議決権の64%を握るBancroft一族の承認を得られるかどうかだ。だがWSJ側が得た情報によれば、頑なに提案をはね除けてきた一族が買収承認に傾きつつあるとDow Jones CEOのRichard Zannino氏が示唆しているともいわれ、このまま買収へのハードルを一気に越える可能性が高まりつつある。