6日(米国時間)、ZKの最新版となる「ZK 2.4.1」が公開された。ZKはJavaで開発されたAjax対応Webアプリケーションフレームワーク。JavaScriptを使うことなく、わずかなプログラミングだけでXULおよびイベントドリブンコンポーネントを使ったリッチなUIのWebアプリケーションを開発できるという特徴がある。
同梱されているHTMLやXULコンポーネントは83HTML/77XULと2007年6月8日(米国時間)に公開されたZK 2.4.0と同じ。2.4.1は機能追加とバグ修正を実施したアップグレード版という位置づけにある。2.4.1における注目の新機能は次のとおり。
- 低速な回線を使っている場合の転送時間を大幅に改善。これを実現するためにgzip圧縮データ転送機能がサポートされたほか、prototypeおよびscript.aculo.usから使っていないコードの削除が実施されている
- ツリーコントロールにおいて複数のページに対して表示する機能を追加。大規模なツリーを操作する場合の性能が大幅に改善される
- モーダルウィンドウの開始処理を高速化するためのオプションを追加
- 記録/リプレイテストツールとともに動作するようにコンポーネントにおけるUUID生成のサポート、ページカスタマイズ機能、デスクトップカスタマイズ機能が追加されている
Webブラウザがコンプレッションエンコーディングをサポートしている場合、2.4.1ではZKローダとフィルタが出力をコンプレス形式で扱う。このため、フィルタの出力後になんらかの処理を行っている場合に影響がでる可能性がある。その場合、web.xmlファイルにおいてservlet-name:zkLoader、servlet-class:org.zkoss.zk.ui.http.DHtmlLayoutServletに対してparam-name:compress、param-value:falseを設定することで同機能を無効化すればよい。
2.4.0のリリースから一ヶ月、バージョンもマイナーバージョンアップに留まっているが、多くのバグ修正や通信速度の改善、ツリーコントロールの改善などの機能を加味するとアップグレードを検討する価値がある。2.4.0以前のバージョンを使っているデベロッパは2.4.1へのアップグレードを検討されたい。