米Googleは7月9日 (現地時間)、米Postiniの買収で合意したことを発表した。買収金額は6億2,500万ドルで、2007年第3四半期中に完了する見通しだ。Postiniは、オンデマンドのEメール/ IMセキュリティサービスやコンプライアンス・ソリューションを、35,000以上のビジネス、1,000万人以上のユーザーに提供している。
Googleはスモールビジネス向けに複数のアプリケーションサービスを統合したGoogle Appsを提供しており、毎日1,000以上の登録を得ている。より大きなビジネスでもシンプルで実用的なアプリケーションサービスの採用を検討する動きが見られるようになったが、大規模企業では同時に複雑なビジネス・ルールへの対応、情報セキュリティの確保、コンプライアンス問題への取り組みが求められる。これらを実現するためにGoogleはPostiniの買収にふみ切ったという。Postiniのソリューションには、EメールやIMのポリシー管理、スパム/ ウイルス対策、コンテンツ・フィルタリング、メッセージのアーカイブおよび暗号化などが含まれる。これら全てがホストされたサービスモデルで提供されている。
Google Enterprise担当のバイスプレジデントであるDave Girouard氏は「GoogleのテクノロジにPostini製品が統合されることで、ビジネスユーザーは大きな悩みから解放される。社員は使い勝手のよい製品を手にし、企業はセキュリティと信頼の問題をクリアできる」とコメント。従来の企業向けソリューションのようなコスト負担や煩わしさのない高品質なコミュニケーション・ツールが実現するとアピールしている。
Googleは、同社製品へのPostiniのテクノロジの統合を進める一方で、既存のPostini製品のサポートも継続するという。Postiniは大規模企業を主なターゲットとしてきたが、6月19日 (米国時間)に米Iomegaとの提携で、IomegaのOfficeScreenを通じた中小ビジネス向けのEメールおよびIMのセキュリティサービスを開始している。