沖電気工業は9日、アナログビデオ信号のNTSC、PAL、SECAMの3方式に対応したビデオデコーダLSI「ML86V7665」を発表し、サンプル出荷を開始した。サンプル価格は500円。同社では、小型化への要求が強い車載用カメラや、屋外監視カメラなどでの採用を見込んでいる。

ビデオデコーダLSI「ML86V7665」の外観

本製品は、日本や北米、韓国、台湾などで使用されているNTSC、欧州や中国などのPAL、フランスや北欧のSECAMの3方式のビデオ信号に対応。ITU-R BT.601規格(13.5MHz)、NTSCスクエアピクセル(12.272727MHz)、PALスクエアピクセル(14.75MHz)の3種類のピクセル周波数をサポートしている。

また、4つのコンポジットビデオ信号入力(ビデオスイッチ内蔵)や10ビットのA-Dコンバータ、2次元Y/C分離フィルタなどを内蔵している。パッケージは48ピンのTQFP(外形寸法は7×7mm)で、同社の従来品である「ML85V7667」の約半分の大きさとなっている。電源電圧はI/O部とアナログ部が3.3V、コアおよびPLL回路部分が1.5V。動作温度範囲は-40~80℃と広く、屋外や車載機器でも使用できる。また、同期安定性が高く、弱電界信号など信号環境が悪い場合でも安定した画像が得られやすいという。

同社では7月に評価ボードの貸出を開始する。また8月には評価ボードの販売も行う予定で、価格は10万円を予定している。本製品の量産出荷の開始時期は12月を予定しており、年間120万個の生産を見込んでいる。