スイスのNPO、New7Wonders Foundationは7月7日、ポルトガル・リスボンにて「The New 7 Wonders of the World」を発表した。映画監督のBernard Weber氏が開始した世界の文化遺産ベスト7を選ぶプロジェクトで、インターネット技術を使って世界中の市民が選出に参加できるようにした。この日、中国・万里の長城、インド・タージマハルなどの世界の文化遺産がNew7Wondersとして発表された。
New7Wondersは、Weber氏が1999年に着想した構想。紀元前200年頃にギリシャの哲学者、フィロンが選んだ「世界7不思議」の現代版を全員で選ぼうというもの(なお、フィロンの世界7不思議では、ロードス島の巨大像などが列挙されているが、現在でも残っているのはエジプト・ギザのピラミッドのみ)。7月7日にNew7Wondersとして発表されたのは、以下7つの遺産(アルファベット順)。
- メキシコ・チチェン・イツァーのマヤ遺跡
- ブラジル・リオデジャネイロの丘のキリスト像
- 中国・万里の長城
- ペルー・マチュピチュのインカ遺跡
- ヨルダン・ぺトラ遺跡
- イタリア・ローマのコロッセウム
- インド・タージマハル
Weber氏は2000年にNPOを設立し、この活動を開始した。参加者が候補を挙げるという仕組みをとり、2005年に投票が多い順に77候補地を選定。それを最終的に21に絞って投票を募った。
最終選考には、New7Wondersに選ばれた7つの遺産のほか、ギリシャ・アテネのアクロポリス、スペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿、カンボジア・アンコールワット、チリ・イースター島のモアイ像、フランス・パリのエッフェル塔、トルコ・イスタンブールの聖ソフィア寺院、日本・京都の清水寺、ロシア・モスクワのクレムリン宮殿、ドイツ・バイエルンのノイシュバンシュタイン城、エジプト・ガザのピラミッド、米国・ニューヨークの自由の女神像、英国・ストーンヘンジ、オーストラリア・シドニーのオペラハウス、マリ・トンブクトゥの14の文化遺産がリストされていた。
世界中の人々が選出に参加できるよう、Webサイト、携帯電話のSMS(ショートメッセージ・サービス)による投票を受け付けた。子供でも参加できるという点で、"初の世界市民による投票"としている。Weber氏は、「平和で文化的なプロジェクトにより、世界の人々が国境、民族、宗教、背景、年齢の違いを超えてすばらしいコミュニティを創造できることを示すことができると信じていた」と語っている。
同NPOでは今後、New7Wondersに選ばれた7つの遺産の3次元イメージなど、保存活動にも積極的に取り組んでいく計画だ。
同NPOでは、2006年9月より投票を呼びかけるワールドツアーを行った。写真は、今年2月に訪れたブラジル・リオデジャネイロの丘のキリスト像付近で撮影したもの |