組み込みデータベースを扱うアイエニウェア・ソリューションズ(以下アイエニウェア)は5日、GIS(地理情報システム)ソフトウェアの開発や販売を行うコボプランを買収すると発表した。

アイエニウェアは米iAnywhere Solutionsの日本法人で、組み込みデータベース「SQL Anywhere」の提供を行っている企業である。一方、買収されることとなったコボプランはGISソフトウェア「Maplet」の開発や販売などを行っている。これまで両社は、SQL AnywhereとMapletを組み合わせて提供するなど、協業関係にあった。

アイエニウェアでは今後、同社の組み込みデータベースのほか、自然言語解釈エンジンやRFID用ミドルウェア、Webアプリケーション向けソフトウェアなどの製品とコボプランのGISエンジンを組み合わせ、顧客管理システムやフィールド支援システムなどの企業向けソリューションの提供を行っていく。さらにカーナビゲーションなどの車載システムやホームサーバといった組み込み機器分野にも注力していくという。

アイエニウェアによると、今回の買収は日本市場に根ざしたものである。将来は米国本社であるiAnywhere Solutionsの製品にもコボプランのGISエンジンを搭載したいとしている。買収方法については、アイエニウェア経由でiAnywhere Solutionsの親会社である米Sybaseが吸収分割方式によりコボプランを買収するという形を取る。アイエニウェアとコボプランの両社の株主による承認の後、8月末頃までに買収手続きを完了する予定。

最近では、地理情報自体を組み込みデータベースで管理して、地図上にさまざまな情報を入力したり、インターネットを利用して最新情報をダウンロードしたり、データの高度な検索を行うといった製品やサービスが増えている。例えばビジネス用途の携帯電話やPDA、在庫管理システム、カーナビゲーションシステムなどでも採用されている。