レッドハットは5日、同社のRed Hat Enterprise LinuxやJBoss Enterprise Middlewareを取り扱うシステムインテグレーターおよびソフトウェア販売会社を対象とした新しいパートナープログラム「Red Hat Ready Business Partner(レディビジネスパートナー)」を開始し、ビジネスパートナー支援体制を強化することを発表した。本プログラムのスタートにより、レッドハットが直接営業支援や技術支援などを行うパートナー制度の対象企業を拡大する。2008年2月末までに50社の参加を見込む。
「Red Hat Ready Business Partner」は、従来からレッドハット製品を販売していながらレッドハットと直接取引のなかった、特定分野のソリューションに特化した中小規模のシステムインテグレーターとソフトウェア販売会社に対し
- 営業支援
- 技術支援
- 教育支援
の3つを柱に、新製品情報や技術情報、各種トレーニングの提供、具体的な提案活動のサポートなどを行うもの。パートナーどうしの交流会や勉強会を適宜開催し、最新の商談事例や各社の得意分野を活かしたソリューションおよびサービスを相互に提供するための機会創出も支援していくという。これらの活動を通じ、これまで十分カバーできていなかった首都圏以外の中堅企業、ベンチャー企業、大学をはじめとする教育機関などへも、オープンソースソフトウェアの導入を拡大していく計画だ。具体的なプログラムの内容は以下の通り。
営業支援
レッドハットの営業担当者による販売情報の提供、提案支援ホットラインの設置による商談サポート、および専用ポータルサイト開設による新製品情報の迅速な提供。
技術支援
検証用の製品サブスクリプションの無償提供、レッドハットのセールスエンジニアによる電話/メールでの随時サポート。グローバルプログラムの一環として、社内技術者と同等の質・量の製品技術情報が提供される予定。
教育支援
レッドハットによる最新の教育研修プログラムを割引提供。レッドハット製品の基礎が学べるeラーニングコースも無償提供する予定。
説明を行った同社のマーケティング&パートナービジネス本部長の纐纈昌嗣氏は、Linuxの使われ方が、ユーザーが自力でWebサーバなどに使用していた段階から、現在では基幹業務にまで拡大してきていることを指摘し、「ユーザーの使い方の変化に応じて、レッドハットのパートナー構成も以前とは変わってきている」とした。かつては、ディストリビューションパッケージの再販を行うパートナーが主体だったが、今後はSIなどとのパートナーシップが重要になるという認識も示した。
また、続いて登壇した同社の代表取締役社長の藤田祐治氏は、UNIXの適用分野を「UNIXの下、Windowsの上」という領域から上下に拡大していくために、より基幹系よりの拡大のためには今年1月に発表済みの「アドバンストビジネスパートナー」で対応し、従来Windowsサーバを利用していたSMBユーザー向けの策となるのが今回の「レディビジネスパートナー」プログラムだと位置づけた。