Java Community Process, JSR 316 Expert Groupは2007年7月3日(米国時間)、「JSR 316: Java Platform, Enterprise Edition 6 (Java EE 6) Specification」のJSR Review Ballotを開始した。同JSRはJava EE 6の開発を目指すもので、Java EE 6自体のリリースは2008年中が予定されている。JSR Review Ballotは7月16日(米国時間)まで実施される見通し。
Java EE 6における方向性の大枠は次のとおり。
- さらなる拡張性の実現
- Java EE platform Profilesの実現
- 不要なコンポーネントの代替削除
- SOAサポートの強化
増え続けるコンポーネントに対する取り組みとしてコンポーネントの取捨選択が考慮されている点は興味深い。現状ではEJB CMPをJava Persistenceで置き換え、JAX-RPCをJAX-WSで置き換えるといった対処が考えられているようだ。
また、エンタープライズ向けプラットフォームという部分においては、SOAのサポートをさらに強化している点も注目される。すでに基本的な対応はJ2EE 1.4およびJava EE 5で実施されており、Java EE 6ではさらなるWebサービス対応機能の追加が主な開発内容になりそうだ。
これ以外では、以下に示すJSRがJava EE 6の候補として取り込まれる見通し。
- JSR-196 Java Authentication SPI for Containers
- JSR-236 Timer for Application Servers
- JSR-237 Work Manager for Application Servers
- JSR-299 Web Beans
- JSR-311 JAX-RS: Java API for RESTful Web Services
また、すでに採用されているEnterprise JavaBeans、Java Persistence API、Servlets、JavaServer Faces、JAX-WS、Java EE Connector APIも更新が検討されている。
Java EE 6の選考からもれたJSRは次のとおり。これらはJava EE 7以降で採用が検討されることになる。
- JSR-168 Portlet Specification
- JSR-170 Content Repository for Java technology API
- JSR-207 Process Definition for Java
- JSR-208 Java Business Integration (JBI)
- JSR-225 XQuery API for Java (XQJ)
- JSR-235 Service Data Objects
- JSR-286 Portlet Specification 2.0
- JSR-289 SIP Servlet v1.1
- JSR-301 Portlet Bridge Specification for JavaServer Faces
高い拡張性を実現するにはモジュール構造を実現する必要があるが、同機能は現在JSR-277 Java Module Systemのもとで開発が進められており、Java EE 6には取り込まれない。JSR-277 Java Module SystemはJava SE 7での採用が予定されているほか、Java EE 7でベーステクノロジとして採用される見通し。