マイクロソフトは3日、香川県高松市に四国支店を開設した。これまで広島の中四国支店からカバーしていたものを「地続きのなかに拠点を設ける」(マイクロソフトエリアビジネス統括本部長・小川秀人業務執行役員)ことで、営業強化および地域貢献の体制を強める。
同拠点から、香川県、愛媛県、高知県、徳島県の四国4県を担当。今回の四国支店開設によって、日本国内における同社の支店は10拠点となった。また、広島の中四国支店は、中国支店に改称する。
マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長は、「四国の経済規模は日本全体の3%程度だが、タイ、フィンランドと同じGDPの規模がある。また、ジャストシステムといった長年のパートナーもあり、穴吹工務店、セシールといった先進的なカスタマーも多い。ソフトを開発する地域のビジネスパートナー、デベロッパやITプロフェッショナルを成功に導けるように、地域と深い関係を構築していきたい。支店は、地域におけるアウトリーチセンターとしての役割を担い、会議室などをパートナーや顧客に開放することで、ITに関する地域コミュニティとの接点を作っていく」とした。
四国支店では、地域のパートナー企業、技術者との交流を促進するほか、支店の施設を利用して、製品トレーニングや、技術者トレーニング、各種セミナーを開催していく。また、自治体やNPOなどとの連携による地域貢献活動を推進していく考えだ。
さらに、各社のソリューションやマイクロソフト製品の検証を行うことができるラボラトリーを四国支店内に設置しており、地域のパートナー企業への情報提供および技術者支援を行う。ここでは、マイクロソフトの提供する最新の製品や技術、発売前の製品などの検証が可能になっている。
マイクロソフトのエリアビジネス統括本部長・小川秀人業務執行役員は、「これまでにも、東京から情報発信をしていたが、その情報が届いていない、あるいは、その地域にマッチした情報や活動が行われてないということが多かった。マイクロソフトが推進する施策をかみ砕いて、地域に最適化した活動をしていく。四国の特徴を捉えたオリジナルのプランを考えていく」とした。
四国支店は、今後、年率20%でのライセンス売り上げ成長率を見込み、2010年までに現在の1.7倍の売上高を目指す。また、認定パートナーを現在の22社から、2010年には40社に拡大。登録パートナーを168社から300社に拡大する計画。また、認定技術者を現在の270人から1,000人に拡大する計画だ。
「四国のIT関連事業者は670社とされており、3年後には半分以上のIT事業者に対して、マイクロソフトが直接、コンタクトできる体制になる」(マイクロソフト四国支店・楠瀬博文支店長)という。「四国の先進的ユーザーが、マイクロソフトの最新テクノロジを導入したいという場合にも、四国圏外のIT企業からSIサービスを受けているといった例が見受けられる。こうした動きが加速すれば、四国のパートナーのビジネスが縮小する可能性もあり、また、ユーザーにとっても、圏外からのサポートということで付帯コストが発生する可能性がある。こうした問題も解決していきたい」と楠瀬支店長は語る。
四国支店は、営業2人、事務職2人の4人体制からスタートするが、SEを追加することで、早急に6人体制に増員する。四国支店は、600平方メートルの広さがあり、社員の席がすでに30席用意されている。さらに、2つの会議室、1つの応接室、ラボなどがあり、人員増加に対応できる規模となっている。「支店の活動の拡大にあわせて、増員を図っていく」(小川業務執行役員)としている。また、「セミナールームでは、今後1年間で約100回を開催し、マイクロソフト製品だけでなく、パートナーの製品を紹介するセミナーも開催したい」とした。
なお、同社では、来年にも沖縄支店を開設し、11支店体制とする予定である。
一方、3日午後6時から、市内のホテルで開かれた四国支店開設記念パーティでは、香川県選出の平井卓也衆議院議員や徳島県選出の後藤田正純参議院議員、香川県知事の真鍋武紀氏が駆けつけ、平井議員は、「マイクロソフトの持つノウハウをぜひ活用させてもらいたい。かつて、ビル・ゲイツ氏と話をする機会があった際に、バージョンアップのたびに儲ける仕組みは良くないといったが、それに対して、彼は、そこで得たものを次の時代の開発のための資金として、あるいは進化するITで問題となることの解決に使いたいといった。その言葉通りに、セキュリティや人材教育に対する投資を進めていることに感心している。四国における人材育成に対する貢献に期待している」と語った。