IBM, the Project Zero teamは2007年6月末から7月頭にかけて新しいプロジェクトのオンラインコミュニティサイト「Project Zero」を公開している。同プロジェクトで掲げられているスローガンは「Zero complexity. Zero overhead. Zero obstacles. (複雑さゼロ、オーバーヘッドゼロ、障害ゼロ)」だ。Ruby on Railsで実現された開発アプローチをJavaやGroovyにおいて実現するためのプロジェクトで、代表的なWeb技術をベースにしてダイナミックWebアプリケーションの次世代アジャイル開発を実現するためのプラットフォームを提供することを目指している。
IBMでは将来的に有効に活用できそうな新しいアイディアや技術を模索するプロジェクトをIncubator Projectとして立ち上げているが、今回公開されたProject ZeroもこうしたIncubator Projectのひとつ。すでに成果物が用意されており、コミュニティサイトを公開することでより多くのフィードバックを得たいという狙いがあるようだ。
Project Zeroでは開発のアプローチとして「Community-Driven Commercial Development」を採用している。Community-Drivenはコミュニティからフィードバックやアイディア、提案、批判などを得るということ、Commercialは商用プロダクトを開発しているということを表している。つまり、Project Zeroでは、商用プロダクトの開発をしており、オープンソースソフトウェアとして公開されているわけではない。現時点では、将来的にオープンソースソフトウェアとして公開する予定もないようだ。
公開されているプロダクトは、GroovyおよびPHPに対するスクリプトランタイムを含んでいるほか、RESTスタイルサービスの生成に最適化されたAPIが用意されている。提供されているプロダクトは基本的にEclipse IDEに対するプラグインになっている。対応しているバージョンはEclipse SDK 3.2.2のようだが、いずれは先日リリースされたEclipse Europaにも対応するだろう。コミュニティへの参加もできるため、興味があるデベロッパは調査してみるといいだろう。