サン・マイクロシステムズ(以下、サン)は2日、1日から長野県上伊那郡箕輪町の情報系システムでシンクライアント端末「Sun Ray Virtual Display Client(以下、Sun Ray)」が全面的に採用され、本稼働したと発表した。
箕輪町は、他の上伊那地区7自治体とともに、上伊那広域連合という組織を形成。昭和53年から町民の情報を取り扱う基幹系システムと、住民サービスに資する情報系システムが完全に切り離されており、基幹系システムは箕輪町を含む上伊那地区8自治体が共同で運営する「上伊那情報センター」において集中管理される一方、情報系システムは各自治体において管理/運営されていた。
そうした中で、箕輪町はすでに223台のSun Rayを導入している東京都江東区、および先にSun Rayを導入している同県辰野町の情報系システムを視察し、導入を決定。従来使用していたPC端末の更新時期である平成19年7月を機に、役場の情報系端末200台をSun Rayを入れて全面的に移行した。
今回、Sun Rayを導入した主な理由として箕輪町は、ネットワークを前提として記憶装置をいっさい持たないSun Rayシンクライアント端末は、高度なセキュリティポリシーに対応していることを挙げている。運用/管理面での煩わしさが排除されているのに加え、端末側にOSやCPUをいっさい持たないため、ウイルスの感染リスクもきわめて低く、情報漏洩対策としても適しており、さらにTCOの大幅削減について高いレベルの要求に応えられる、としている。
また、2006年3月に全国の市町村で初めて、環境省策定のガイドライン「エコアクション21」の認証を取得している箕輪町にとって、Sun Rayはきわめて低い消費電力と低発熱量で稼動することも決め手のひとつになったという。
今回のSun Ray全面移行にあたり、システムを動かすサーバはすべてAMD Opteronプロセッサを搭載したx64サーバ「Sun Fire X4100」を採用。Sun Rayへのアクセスに使用するスマートカードを職員証として活用し、職員のセキュリティ意識の向上とセキュリティレベルの向上を同時に実現した。