NECビッグローブは、企業のWebサイト内検索システムの構築、運用を請け負うサービス「サーチプラットフォームサービス」を展開している。Googleの検索機能を軸に、BIGLOBEがサイト内検索システムの運用をアウトソーシングする。ポータルの老舗として知られる同社が、ソリューションサービスにも注力し始めている。新たなサービスの事業戦略と方向性について聞いた。

「サーチプラットフォームサービス」は基本的に、Googleが提供している「Google検索アプライアンス」を活用、BIGBLOBEが蓄積してきたサイト構築や運用のノウハウを組み合わせたサービスで、導入企業は自社サイト内の検索システムを構築・運用することが可能となる。NECビッグローブは、「Google検索アプライアンス」を導入する際の初期設定や、検索精度向上のための設定・チューニング、パッチ適用などの運用を一括して支援するとともに、サイト訪問者が入力した検索キーワードの集計や、サイトのクロール結果、アクセスログデータなどのレポートも月次で提供する。

パソコンあるいは部品のメーカー、小売など流通業では商品として多くのアイテムを揃えており、Webページをよりわかりやすく、どこに何があるかを明示し、エンドユーザーを目的のものに導くことができるよう、その充実化を図っている。企業の公式Webサイトでのプロモーションが考えられるようになったのは、ここ数年の動きで、企業のWebページは情報量も多くなっているが、以前はさほど機能面での洗練化はされていなかった。

NECビッグローブ ビジネス事業部 販売促進グループの清水尚之マネージャーによれば「東京証券取引所の一部上場企業を対象に調査してみたところ、企業のコーポレートサイトで検索窓を設けているのは41%に留まり、59%が備えていなかった」というのが現状だ。しかし、「サイト内検索へのニーズは高くなっている。情報発信が非常に重要であると、多くの企業が認識するようになってきた」(同社ビジネス事業部 基盤ソリューショングループ 福嶋正晃マネージャー)こともあり、今回のようなサービスを求める潜在的な市場は大きいようだ。同社は、メーカー、メディア企業から、官公庁、大学、研究機関など、幅広い分野を視野に入れており、今年度100社への導入を目指している。

このサービスでは、検索にまつわるさまざまなデータを分析してレポートするメニューも用意されている。清水氏は「Webサイトは顧客との接点として、企業が、市場に情報を発信するだけのものではない。サイト内検索の機能があれば、その企業のイメージや情報がどのように伝わっているか、どうみられているのか、検索キーワードから何が検索されているのか、といった情報を検索窓は一つの指標として示す。サイトへの訪問者のこれらのアクションは、たいへん重要なマーケティングデータになる」と話す。直接電話をかけてくるようなエンドユーザーもいるが、「電話をかけてまではこない程度の層、埋もれている部分の掘り起こしの手がかりになる」ことも見逃せない。

様々なサービスが提供されるサーチプラットフォームサービスだが、最も大きな特徴は、他ならない「NECビッグローブ」自身だといえる。