日本オラクルは27日、ID管理製品群「Oracle Identity Management」の導入支援に関し、米SENA Systemsと協業すると発表した。
まず登壇した同社の常務執行役員 システム製品統括本部長の三澤智光氏は、「国内には大規模なID管理システムの導入事例がまだ少ない」との現状を指摘した。ERPの導入初期段階と同様に、この状況ではシステムへの過大な期待から仕様がいたずらに膨らんでしまい、結果としてプロジェクトが失敗に終わるリスクが高まるという。対策としては、システムのスコーピングを明確にし、曖昧さを排した要件定義を行なうことが重要だが、これは経験豊富なコンサルティングファームのノウハウなしには難しい。そこで、国内で不足している経験を補う意味で、米国で金融業界等で豊富な実績を持つSENA Systemsとの協業が実現したという。
米SENA Systemsの創業者でエグゼクティブ・チェアマンを務めるマニーシュ・バンダーリ氏は、自身を含めて主要な経営陣が金融業界出身であり、金融業界での要件を深く理解したシステム構築に強みを持つことを強調した。SENA Systemsは、アイデンティティ管理およびアクセス管理(IAM)サービスに特化して事業を展開するシステムインテグレータ。現時点では日本国内に拠点を持っていないが、同社内の日本語ができるスタッフ4名がこのプロジェクトを推進しており、今後は状況を見ながら日本語ができるスタッフの増員や、日本国内での拠点設置も検討していくという。
SENA Systemsが提供するサービスは、以下の通り。
ID管理ソリューション導入のためのコンサルティング・サービス ユーザー企業のID管理の現状環境とプロセスに関する評価やシステム構築のための要件定義、システム・アーキテクチャ設計、段階的導入プランの作成なども含む
ID管理システムの導入支援 技術面でのサポート、カスタマイズ、導入、運用、サポートなど、プロジェクト全体に渡るマネージメントを支援する。同社はインドに開発センターを持っており、いわゆるオフショア開発を行なうことで開発コストの低減も図れるという
ID管理システム構築のためのトレーニング オラクル製品(Oracle Identity Management)に関するトレーニングを日本国内の戦略的パートナー向けに提供する
なお、SENA Systemsは米Oracleとも2002年から戦略的パートナーシップを締結しており、Oracle Identity Managementのカスタマイズやコネクタ開発にも豊富な実績を持つという。