GoogleのCEO、Eric Schmidt氏

いまや押しも押されぬ大手インターネット企業となった米Google。1998年創業以来、検索を軸にサービスを拡大し、その勢いはとどまるところを知らない。6月19日にGoogleがフランス・パリで開催したプレス向けイベント「Google Press Day」では、2001年以来CEOとしてそのGoogleを率いているEric Schmidt氏が登場し、自社の今後を展望したほか、プライバシー問題、競合などについてプレスの質問に答えた。

ステージに立ったSchmidt氏は、「毎朝、検索について考えることから仕事がはじまる」と述べ、主力事業であるインターネット検索について語った。Googleはエンジニアリング作業の大部分を検索技術に注いでおり、ユーザーの視点をベースに強化/改善を続けている。「検索はキラーアプリケーション。われわれの成長を大きく下支えしている」とSchmidt氏は述べる。

情報の量は増えており、それは検索ニーズの増加を意味する。テキスト検索からスタートしたGoogleも、画像検索など対象分野を拡大している。その検索について、Schmidt氏は「次のトレンドはパーソナライズ検索」と断言する。「最高の検索エンジンは、自分が調整したパーソナライズ検索だ」とSchmidt氏。自分の嗜好や興味を一番よく知っているのはユーザー自身。ユーザーが自分の検索履歴を提供し、調整/管理することで、自分仕様の最高の検索エンジンを作ることができるという。

Googleは今年5月、これまでGoogleパーソナライズドホームとして提供してきたカスタマイズサービスを「iGoogle」にブランド変更した。iGoogle人気を受けてパーソナライズ検索分野にさらにフォーカスする予定で、同社の基本研究テーマになっているという。Schmidt氏はここで、Googleのフォーカスは常にユーザーにあることも強調する。ユーザーは現在、機能をオプトインして組み込んでいき、好まない場合は削除できる。検索履歴を他の検索エンジンに移行させることもできるという。

検索分野におけるもうひとつの取り組みが翻訳だ。Googleは現在、112の言語に対応しているが、対応言語を増やすと同時にページの機械翻訳の開発も進めてきた。今回、Googleは翻訳サービスに、新たにクロス言語検索サービスを加えている。

このほか、検索の拡大として本のデジタルアーカイブもある。Googleはこれにあたり図書館との提携を進めており、欧州ではベルギー・ゲント市、スペイン・バルセロナ市の図書館などと協業しているという。