米Yahoo!は6月18日(現地時間)、同社取締役会がJerry Yang氏を新CEOに任命したと発表した。同氏はYahoo!の共同創業者の1人。現在の会長兼CEOであるTerry Semelは会長にとどまり、アドバイザーとして新経営陣を支援するという。またエグゼクティブバイスプレジデントでAdvertiser and Publisher Groupを率いるSusan Decker氏が社長に任命された。
Terry Semel氏は2001年4月に会長兼CEOに就任。サービスと広告を軸とした今日のYahoo!のビジネスモデルを確立し、危機に瀕していた同社の経営を立て直した。今回発表された人事についてSemel氏は、「Yahoo!のシニアリーダーの円滑な移行について取締役会と長く協議してきた」という。Yahoo!は複数年にわたる長期的な変革を実行する時期であり、そのために同氏は「将来ではなく、すぐに身を引く意志を取締役会に伝えた」。
Semel氏はYahoo!の前にWarner Brothersの会長兼Co-CEOを務めていた。サービス面で強みを持つ同氏だが、新たな経営者について「異なったスキルを持って企業の潜在力を完全に引き出す力が必要」と語る。またDecker氏については経営戦略を遂行する能力とリーダーシップを高く評価しており、「JerryとSueの組み合わせは無敵のチームになる」と述べている。
Yahoo!の今後の課題は、インターネット市場で急成長を遂げるGoogleへの対抗である。今年5月にはYahoo!とMicrosoftが合併を含む提携交渉を進めていると複数の米メディアが報道した。ただしYang氏はMicrosoftへの身売りに反対の立場を取っているとされており、同氏のCEO就任で合併実現の可能性は極めて低くなった。今後はYahoo!の文化と技術力を前面に押し出した事業展開が進められそうだ。