PCでのWebと同様の利用体験を提供するという

米Microsoftは6月18日 (現地時間)、モバイル機器向けポータル「MSN Mobile」のデザインを一新した。ユーザーが使用している携帯電話に合わせてコンテンツが最適化されるなど、サイト表示が大幅に改善された。現時点で利用できるのは米国内のみだが、2007年を通じて世界各国にサービスを拡大する計画だ。

MSN Mobileはモバイル機器用のWebブラウザでの利用を想定したポータルサービスで、Windows Live Hotmail、Windows Live Messenger、Windows Live Spaces、Live Searchなど各種Windows Liveサービスと連係する。最新版では、ナビゲーション方法やクリックリンク、ショートカットなどが改善され、より容易にWindows Liveサービスへアクセスできるようになった。またMSNプラットフォームがユーザーの携帯電話の種類を特定しコンテンツを最適化して提供するため、どのような携帯電話を使用していても常に読みやすい表示になる。発表文ではさらに、「MSN Mobileを通じてユーザーは携帯電話に適した方法で情報に接し、楽しむことができる。利用体験という点では、PCでのWebに近いモバイルWebだ」と付け加えている。

携帯電話向けポータルにはライバルのGoogleやYahoo!も力を入れている。また通信キャリアもそれぞれのポータルにユーザーをとどめようと懸命である。その理由として広告が挙げられる。米国のモバイルインターネット市場は、コンピュータでのWeb利用に比べるとまだまだ小さいが、Local Mobile Search (LMS)によると、2億3000万人以上の米国のモバイル契約者の内、およそ1億8000万人がすでにWebに対応する携帯電話を使用しているという。潜在的な市場が存在する上に、スマートフォン向けサービスに対する消費者の関心が急速に高まっている。ABI Researchは最新レポートの中で、モバイル向けのマーケティング/アドバタイジング市場が2007年末時点で30億ドル規模となり、さらに2011年には6倍以上の190億ドル規模に成長すると予測している。

現時点でMicrosoftはMSN Mobileを通じた広告提供を行っていないが、同社のプラットフォームを土台とした効果的なモバイル広告の実現を目指して、モバイルオペレーターとの提携、広告主やパブリッシャーとの連携を強化する姿勢を示している。