日本SGIは14日、SaaS(Software as a Service)事業を9月から開始すると発表した。インターネットを通じて、SSL-VPN、データのオンラインバックアップ、企業・自治体の情報資産アーカイブ/ストリーミング、グループウェア、セキュリティ・コンプライアンス・ソフトウェア、CAEアプリケーションなどのサービスを供給していく予定だ。サービスの具体的な内容などは今後示される。

同社は、業務・資本提携している、iDC(インターネット・データセンター)事業者のメディアエクスチェンジ(以下、MEX)と協業、MEXのデータセンターを活用してSaaS事業を推進する意向で、カスタマーサービス部門の拠点を東京都内のMEX社内に設置、カスタマーエンジニアが常駐する。また、セキュリティ対策では、同社が展開している情報漏えい対策ソリューションを適用していく方針だ。

従来の個別開発やパッケージソフトウェアの場合、導入する企業はハード/ドルウェアなどのIT基盤と、その運用技術が求められるが、インターネット経由のサービスとして必要なソフトウェア機能だけを提供する形式のSaaSでは基本的に、それらのインフラや技術は導入企業側には不要であり、低コストで活用することが可能だ。同社は、これらの状況に着目「ネットワーク経由の新たなソフトウェアサービスとしてSaaS市場の拡大が期待されている」として今回、SaaS事業への参入を決めた。

日本SGIは、1987年に米シリコングラフィックスの日本法人として設立され、かつては、サーバーや、グラフィック機能に強いワークステーションなどで知られていたが、最近では、ソリューションビジネスに注力しており、2005年には、デジタルコンテンツの制作・編集からコンテンツ管理・保存、配布・公開までの工程を管理する、コンテンツ総合管理ソリューション体系「SiliconLIVE!」を発表するなど、コンテンツに焦点を絞った事業を展開している。MEXとの資本提携は、高速・大容量のネットワークとシステムを統合化したサービスを提供するのが狙いで、今回のSaaS事業は、その具現化のひとつつだ。

同社は2006年12月に、MEXとの間で、業務・資本提携について合意、2007年1月にMEXの普通株式29,979株(発行済株式の31.56%)を取得しており、筆頭株主となっている。