米IBMは11日(現地時間)、スウェーデン企業Telelogicの買収計画を発表した。買収はキャッシュで行われ、単位Telelogic株あたり21スウェーデンクローネが割り当てられ、総額で約52億クローネ、ドル換算で7億4,500万ドル規模の取引となる。Telelogicはソフトウェア開発ソリューションを主業務とし、航空宇宙産業や通信業界、自動車業界などを中心に世界で8,000あまりの顧客を抱える。買収完了後はIBMのRational Software部門に組み込まれ、近年同社が力を入れているソフトウェア/ミドルウェア事業強化のためのポートフォリオ拡充に割り当てられることになる。
Telelogicはアプリケーションの要件定義からモデリング、構築、テスト、配布、管理といったように、企業がソフトウェア開発を行ううえでのApplication Lifecycle Management(ALM)やEnterprise Lifecycle Management(ELM)を支援するソフトウェアソリューションを開発している。とくに同社のソリューションは、航空機のレーダー制御や自動車のアンチロックブレーキシステムなど、特定業種での複雑なソフトウェアシステムでの開発支援を得意とする。
「今日の次世代エンタテインメント機器から明日の宇宙情報システムまで、ソフトウェアは複雑なシステムの活動源だ。IBMの今回のTelelogic買収は、われわれの製品ポートフォリオを補完し、顧客がソフトウェア開発プロセスをより効率的で効果的なものとすることを支援する」と米IBM Rational Software部門ゼネラルマネージャのDany Sabbah氏は述べている。IBMでは既存製品やTogether、Telelogicのソリューションを組み合わせることで、こうしたシステム開発で大きなメリットを享受できることを強調する。
IBMでは今回の発表を正式な買収表明ではないと述べており、あくまでスウェーデンの行政機関や法律上の問題をクリアしたうえで成立するものだと説明する。既存株主の90%の同意を得られた段階で、実際に株式の取得に乗り出す。