アマゾン ジャパンは8日、日本では初の会員制サービスとなる「Amazon プライム」の提供を発表した。年会費3,900円で沖縄・一部離島を除く日本全国で「お急ぎ便」の無料・無制限で利用可能になるサービスで、1アカウントにつき同居する家族3名まで利用できる。携帯電話からの利用も可能。
Amazon プライムの会員になることで最低購入額の枠を気にすることなく注文が可能になるほか、「お急ぎ便」の指定も無料となる |
会員のデフォルト設定は「1-Click お急ぎ便」だが、カートを利用してのショッピングに変更することも可能 |
今回、米Amazon.comに次いで導入される会員制サービス「Amazon プライム」では、送料無料が適用される最低購入額を撤廃した。これまでのAmazon.co.jpの配送料は、購入額1,500円以上で送料が無料となっており、多くのユーザーは注文を1,500円以上にまとめることでこれを適用していた。
また、Amazon プライムの会員は、年会費を支払うことで、エクスプレス配送サービス「お急ぎ便」を何度でも、追加料金無しで利用することが可能となる。「お急ぎ便」は、関東エリアでは早くて当日中に、そのほかのエリアでは翌日中に商品を届けるサービスで、従来は有償のオプションサービスとして提供されていた。
上記2つの特典は、会員と住所が同一の家族2名を含む計3名で利用できる。
「ユーザーは品揃え・低価格・利便性を求めている」
Amazon プライムの発表に合わせ来日した米Amazon.comの創業者兼CEO、Jeffrey P. Benos氏は、同社の戦略を、「品揃え」「低価格」「利便性」の3点から説明する。
現在amazon.co.jpが提供している商品は1,000万点を超える。品揃えという点で、「直近の進展としては、時計ストア、ベビー&マタニティストアを開設した」(Benos氏)。ベビー&マタニティストアについては、妊娠期間や赤ちゃんの月齢ごとに商品を検索することが可能で、ここでは利便性にも配慮したことが伺える。
「世界戦略として推進している」(同)という低価格については、「毎日低価格」で商品を提供しているという。「小売店では週に一度や、月のある期間にセールをしているが、毎日を低価格にすることで、消費者はセール日や期間を気にする必要がなくなる」(同)からだ。
利便性という点は、配送料無料サービスの提供がある。これは世界的に提供されているサービスで、「ユーザーから好評を得ており、非常に利用頻度の高いサービスとなっている」(同)
利便性を重視する同社は、2年前から米国でAmazon Primeの提供を開始した。米国での提供価格は79ドル/年と日本より割高だが、この価格決定には国に異なる輸送費や人口密度を勘案しての価格だという。サービス内容は日米とも全く同一のものとなっている。
Benos氏は日本でのAmazon プライム提供について、「ユーザーにとって大変利便性の高いプログラム」であることを強調する。「ユーザーが求めているのは品揃え、低価格、利便性の3点」であり、「今後も(この3点の)改善を進めていくことで、今日のサービス、そして10年後のサービスの品質を向上させたい」と語った。